Stand Alone;凛として生きる

昨日の市民公開講座で、神崎亜希さんというソプラノ歌手の歌を聞いた。私は救い難いほどの音痴なので、歌唱力の優劣をつける資格はゼロだが、NHKスペシャルドラマ「坂の上の雲」の挿入歌であった「Stand Alone」という題名の歌は、その歌詞(小山薫堂 作詞)と共に心に響いた。

「ちいさな光が 歩んだ道を照らす

希望のつぼみが 遠くを見つめていた

迷い悩むほど 人は強さを掴むから 夢を見る

凛として旅立つ 一朶の雲を目指し」

幕末から明治にかけ、日本は植民地化されず、「Stand Alone」でいることができた。今年は明治維新から150年目の記念日にあたる。日本が欧米列強に踏み荒らされずに済んだには理由があるはずだ。凛として人生を歩み、希望のつぼみを育ててきた先人の歴史に学ぶべきではないかと思う。

忖度がどうのこうのと騒いでいる野党政治家の中には、民主党政権時に間近で見た人が少なからずいる。大阪弁だと、「どの面を下げて、そんな偉そうなことを言うとるんや。自分の過去を振り返ってみいや」と叫びたくなるような人たちだ。凛として、人としての矜持を持って、国の将来のために生きる政治に臨んで欲しいものだ。

財務事務次官のセクハラ発言など、決して褒められたものではないが、、週刊誌で取り上げられたからと言って、ここまでバッシングをする必要があるのか、疑問でならない。発言に問題はあっても、魔女狩り的に辞任を迫るような事態は異常だと思う。どの組織においても、しっかりとした検証をしていくところから始まるはずだ。これでは、メディアによる人民裁判ではないのか?こんなことがまかり通るなら、人を罠にはめ、貶めることなど簡単にできてしまうのではないのかと思えてくる。もっと客観的に議論をして欲しいものだ。

このようなあまりにもワイドショー的で知性のない国会の議論を聞いていると、悲しくなってくる。国会とワイドショーが金太郎飴のようにどこを切っても同じような議論・話題だ。本当にこれでいいのか?がん医療だけを見ても、困っている人、苦しんでいる人、悲しんでいる人たちがたくさんいる。議員はいったいどこに目を向けているのだ。国の将来に関わる議題で、凛とした人たちの、凛とした真剣な議論が聞きたいものだ。


編集部より:この記事は、シカゴ大学医学部内科教授・外科教授、中村祐輔氏のブログ「中村祐輔のシカゴ便り」2018年4月16日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。