京都国際映画祭2017 後編

京都国際映画祭は、アート展でもありますが、デジタルの才能を発掘するイベントでもあり、国際的な文化交流の場でもあります。
映画人、アーティスト、芸人、学生、お客さま、みなさんが参加して創る祭り。
どこにもないその空気、もっと濃くしていきたい。
(山田詩帆「ステゴザウルス発見!」)
ジャンルをミックスすることが一つの特徴です。
映画、アート、お笑い、デジタル。今年はアニメやマンガ、ダンスやプログラミングが加わりました。
ファッションや音楽の芽もあります。
何のイベントかわからない。そういうイベントにしていきたい。
(田中良典「この波は、あの波と繋がっている。」)
タテをヨコにする試みです。
映画祭は映画人が集まって映画をホメたり売り買いしたりするものですが、そのタコツボを排する。
アニメやマンガの業界もタコツボ傾向があります。
それらタテの集まりを、芸人や学生や子どもたちがヨコに軸を差し込む。
大きなコミュニティ作りです。
(川瀬理央「刻」)
古都の伝統文化と、ポップカルチャー(太秦映画村、京アニ、任天堂)と、ハイテク(京セラ、ムラタ、オムロン)と、大学と、それらをごっちゃにした聖地をアピールしてまいります。
(イチハラヒロコ「アートタクシー」、京都のタクシーの上に乗っかってるやつ。)
参加型を旨とします。
芸人さんや学生さんに深く関わってもらいます。
学生の人口密度一位の京都は学生を「さん」付けで呼びます。
ただしウンコも「さん」付けで呼びます。
(京都精華大学卒業生陶器展・藤田美智「福助」)
今回「京都の映画祭連絡会議」が発足しました。よろしく。
祇園天幕映画祭(7月)京都国際子ども映画祭(8月)京都国際映画祭(10月)京都ヒストリカ国際映画祭(10月)京都国際インディーズ映画祭(11月)京都国際学生映画祭(11月)。
お世話になってきた立誠小学校跡地。
90年を経てリノベーションのため今年が最後に。
木村祐一さんの展示は「iPhoneのしでかし」。
小倉智昭さんを打ち込む最中に現れる候補を一つづつ味わうとは。「ナゼ?小倉智昭さんを打とうと思ったのかは忘れた」との解説。
うなるアート感覚。
中村真鈴さん「こわしてつくろう」。
吉本芸人のフィギュアをこわしてつくった生き物。
池乃めだか、桑原和男、諸見里大介、竹若元博、渡辺直美、板尾創路、内場勝則、辻本茂雄、島田珠代、笑い飯西田、ケンコバらが潰されバラバラにされ生きています。
中村真鈴さんは女性の袴スタイル新・和服ブランド「プリそなゑ」を提案しています。
アート部門ディレクターおかけんたさんと。
・105年にわたってメディアを軸に展開してきた吉本興業が「街」に進出するイベントでもあります。
京都の東西南北あっちゃこっちゃの場で繰り広げます。
バーチャルからリアルへの展開。
これは京都の北、植物園。
Yotta「穀」。センチュリーを改造した「大砲型ポン菓子機」。
これまで3回がホップなら、今回からの3回がステップ。
2020年にはジャンプします。
オリパラが東京に来て、文化庁は京都に移ります。
今のうち方向を定めます。
京都駅前広場、橘宣行「銀河鉄道たちばなDX」。
今年新しくなった京都タワーも使わせてもらいました。好かれてるような嫌われてるような、立ち位置が独特の塔ですが、50年も立ってるともう京都の一員。映画祭も早う一員にならんとね。
むかしここのお化け屋敷はやたら怖かった。比叡山のはやたらおもろかった。京都のお化けは高いとこに出よる。
藤井大丸。去年はシャンプーハットこいちゃんのシュールな作品が展示されていましたが、今年は銀シャリ鰻さん。
アーティスト気質はボケのほうが強いんですかね。
又吉さん、板尾さん、くっきーさん、(ピンだけど)ジミーさん。
映画もアートもその他もぜんぶ、の「その他」部門、「デジタルアートバトルLIMITS」。
直前に与えられたテーマを20分でタブレット表現するという、デジタルアートのガチンコ。
お笑い、ダンス、ラップ、そしてアートも即興バトルです。
これはカナリア・ボン溝黒さんの作品@ワコール。
今年からアニメもやります。だってアニメ100年だから。そして京都はアニメの聖地だから。
「夜は短し歩けよ乙女」の木屋町界隈ではぼくも酩酊し、京大学園祭ではぼくも暴れました。
「けいおん!」の修学院駅を毎日通り、JEUGIAでギターを買って少年ナイフのレコードを作りました。
そのアニメ聖地をテーマとするシンポ、基調講演をしました。
「元・立誠小学校 講堂でシンポジウム『京都から考えるアニメ×伝統文化×ツーリズム』~アニメと京都にできること~開催!」
「原作開発プロジェクト」、マンガ部門授賞イベント。全世界を対象に才能を集めるコンテスト、応募463作品。MediBangとの連携です。特別審査員はレジェンド竹宮惠子京都精華大学学長。アーティスト鉄拳さんもご一緒。グランプリは台湾の銀甫さん。進行はGAG少年楽団。
竹宮さん「非常に細かい手仕事で、ストーリーも複雑な構造。」日本マンガのエキスですね。「これまで大出版社で出版するしか道がなかったが、新たな道を開拓してくださることに感謝。ネットで見られて世界から応募がある。日本のマンガに関心を寄せているから。土壌を肥やさなければ。」御意!
鉄拳さん「審査するつもりで来たのですが、もう審査は終わっていて。なので、素直に読ませていただきました。本当に、おもろしろかったです。」
「原作開発プロジェクト」<マンガ部門>グランプリ作品は台湾・台南市在住の銀甫作『人偶』に決定!
 われらが「デジタルえほん」も参戦です。150作品を展示しました@京都府立歴彩館。1時間たってもえほんをいじって動かない子たちをみて、山田府知事もいたく感激。来年以降、もっとこの世界を京都に広げたく存じます。
平安神宮前の岡崎公園では、飲食ブースや協賛社ブース、よしもと芸人のステージなど、みんなが参加する「きょうのひろば」も開催。開かれたイベントにしていきます。
「京都 三泊四日」、おおきに。
映画界のみなさん、アーティストのみなさん、芸人さん、学生さん、世界中からのお客様、おおきに。
映画のようで映画でない。ベンベン。
アート展のようでアート展でない。ベンベン。
それは何かと尋ねたら、京都国際映画祭。
おおきに。

 

そして来年も、よろしゅうに。

編集部より:このブログは「中村伊知哉氏のブログ」2018年4月23日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はIchiya Nakamuraをご覧ください。