2018年5月7日、国民民主党が設立されました。
これから仲間と力をあわせ、国民から信頼いただける政党になるよう努力してまいります。
(党の綱領や結党にあたっての思いはこちらをご覧ください。)
我が党には、厳しい選挙を勝ち抜いた一期生をはじめとした優秀な若手や、全国の地方議員のネットワークがあります。
経験ある国会議員だけが意思決定に関与する政党ではなく、フラットなネットワーク政党にしていきます。
そのうえで、私たち、国民民主党は、「対決」ではなく「解決」を示す「政策集団」をめざします。
もちろん、「政権の監視」は野党の責務です。
おかしなことは、他の野党とも協力しながら、引き続き厳しく指摘していきます。
一方、政治の役割は、国民の皆さまのため、「よりよい政策」を実現することに他なりません。
特に、苦しんでおられる声なき声に耳を傾け、その課題を「解決」してこそ、私たちは国会に送ってもらっている責任を果たすことができます。
これは野党であっても同じです。
そして政権与党を目指すなら、なおのことです。
考えが異なっても、あきらめず、合意形成を探す努力を続け、解決策を見い出す。
これが、私たちが綱領に掲げた「改革中道政党」の本質です。
国会では、積極的に政府に論戦をいどみます。
私たちは、「政策集団」として、徹底した政策論争を行っていきます。
その際、私たちが大切にしたいのは、「未来先取り」の視点です。
今、世界は大きく変化しています。しかも、驚くべき速さです。
特に、これからの日本は、
「人生100年時代」
「AI時代」
「人口減少時代」
「アジアの時代」
という4つの新時代を、同時に生きぬいていかなくてはなりません。
だからこそ、私たちは、「20世紀の成功体験」から決別し、古くなった日本を「アップデート」していきます。
それが、国民民主党結党の大きな目的です。
そのための総合戦略を提案していきます。
この戦略は、まさに「ここから始める」という意味も込めて、「プロジェクトABC」と名付けました。
(詳細は末尾を参照してください。)
これは、AI(人工知能)の「A」、
ベーシック・インカムの「B」、
コミュニティの自立の「C」、
の3つの柱から成り立つ総合戦略です。
技術革新で人口減少を克服
まず、国民民主党は、革新的テクノロジーを重視します。
「A」=AIをはじめとする革新的な科学技術に対する投資を増やし、計画的に人材を育成し、経済成長を実現するとともに、人口減少をはじめとする日本が抱える様々な社会的制約を乗り越えていきます。
そして、日本をもう一度世界に冠たる技術立国にするための政策として、「イノベーション・ニューディール政策」を進めます。
長寿時代でも安心できる社会保障
次に、国民民主党は、国民の生活不安の解消を重視します。
これからは、AI時代と同時に人生100年時代です。
高齢に伴う不安、失業による不安、子育ての不安、様々な不安が高まる社会です。
だからこそ、私たちは、政府の再分配機能を強化すると同時に効率化します。
すべての国民が、人生のあらゆるライフステージの中で、国民が不安なく暮らせるように、「B」=「日本版ベーシック・インカム政策」の導入を検討し、最低限の生活保障の仕組みを作ります。
自立型の地方分権社会
最後に、国民民主党は、「C」=地方と地域コミュニティを重視します。
中央主権型で、国が地方自治体や地域コミュニティの面倒をみる、こんなやり方は、もはや困難になりつつあります。
だからこそ、財源や権限の大幅な強化で、地域が自立してやっていける基盤を整えます。
その際、仮想通貨を使った地域通貨発行権を認めるような、全く新しい手法についても、積極的に議論します。
また、アジアとの連携を強化するため、地方空港と地方港湾の整備や民営化は積極的に進めます。
人口が減っても、豊かさは減らない、賢く縮む「スマート・シュリンク」戦略を進めます。
こうした「プロジェクトABC」を展開していくことで、例えば、
- 自動運転が世界に先駆けて実現し、地方における移動困難者がゼロになる
- 人生のあらゆるステージで最低限の所得が保障され、すべての人が、生活不安と貧困から解放される
こんな明るい未来を、私たち「国民民主党」がリードして、作り上げていきます。
私自身、野党、与党、そして再び野党を経験しました。多くの失敗も経験してきました。
だからこそ、いま、新党の船出に当たって、
「政策集団でありたい」
という基本姿勢を、あえて愚直に標榜します。
一時の人気にあやかるような姿勢ではなく、地道に底力をつけていきたいと思います。
まちがいなく、険しい道のりの第一歩です。
しかし、近い将来、政権の核を担うのは自分たちなのだ、そんな強い想いを共有し、新たな出発にのぞみます。
今と未来を生きるすべての国民の皆さまのため、力をあわせてがんばります。
国民民主党を、よろしくお願い申し上げます。
(参考)
「プロジェクトABC」
AI (Artificial Intelligence: 人工知能)
→人工知能はじめとした革新的テクノロジーの推進によって、経済成長の実現や、労働人口減少など日本社会における制約の克服を図る「イノベーション・ニューディール政策」を推進する。
- 官民のAI投資を倍増し、日本を再び世界一の技術立国に押し上げる。また、G7の中で最低の労働生産性をG7の中で、1位に引き上げる。
- 海外への留学生数を大幅に増やすなど、計画的なICT人材の育成を図る。同時に、読解力など基礎学力を全ての子どもたちが確実に習得できるよう公教育を拡充する。
- ブロック・チェーン技術などを取り入れた世界一効率的な電子政府を実現する。国会議員や公務員の数を計画的に削減する。
BI (Basic Income: 基礎的所得給付)
→AI時代かつ人生100年時代に、誰もが安心できる生活保障制度として、英国のユニバーサル・クレジットを参考にした「給付」と「減税」を組み合わせた「日本版ベーシック・インカム政策」を導入する。同時に、以下の3つの所得政策で、くらしの安心を確保し生活不安を解消する。
- 子育て世帯の生活保障給付として「子ども手当て」を拡充する。その際、第2子、 第3子に対しては、住宅付与などの現物給付か、現金給付による多子加算制度を導入する。
- 基礎年金の最低保障機能を強化し、月7万円程度の高齢者向け生活保障給付を創設する。
- 戸別所得補償制度をベースに、「GAP基準」を満たす農業者に対する新たな直接支払制度を導入し、再生産可能な農家所得を保障する。
CI (Community Independence: 地域コミュニティの自立)
→中央集権型で、国が、全国津々浦々すべての地方や地域コミュニティの面倒をみることは、財政的にも困難である。そこで、地域コミュニティや地方自治体の自立分散を推進し、人口減少時代にあっても豊さや多様性を失わない、賢く縮む「スマート・シュリンク政策」を推進する。
- 地方自治体の課税自主権の強化や、仮想通貨を使った独自の地域通貨(トークン)発行を可能にするなど、地方の財源・権限を大幅に強化する。
- 発展するアジアとの結びつきを強めた自立的な国際経済圏を確立するため、地方空港・地方港湾の整備拡充と、民営化を推進する。
- ソーラー・シェアリングなど地域分散型エネルギーの導入推進と農林水産業の活性化を図る
編集部より:この記事は、国民民主党共同代表、衆議院議員・玉木雄一郎氏(香川2区)の公式ブログ 2018年5月8日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はたまき雄一郎ブログをご覧ください。