こんにちは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。
8月2日は、小池知事が就任してからちょうど2年間の節目にあたる日です。
(ありし日の…@2016年8月2日)
初登庁時に小池知事を出迎えた都議は、たったの3名。その他はオール野党という体制からスタートした小池都政ですが、都議選もあってその議会構造は様変わり。
そして出迎えた3名の都議、「ファーストペンギン」だった私自身は、野党サイドに立場を移して今を迎えるに至っています。
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さて、その任期も折返しとなるタイミングで、新聞各社が2年の振り返りや分析記事を掲載しています。
世論調査では、一時期の支持率よりはかなり下落したものの、「消極的支持」を集めて中位安定している様子が伺えます。
とりわけ興味深いのがこの部分の数字。
この2年で都政は「よくなった」が17%、「悪くなった」が11%。最も多かったのは「変わらない」で、69%だった。(上記朝日新聞記事より抜粋、強調筆者)
これは都政の最中にいた人間にとっては、かなり衝撃的な事実です。
それでも支持される小池都政:東京の自民党に必要な戦略見直し(アゴラ)
アゴラ編集長などがこの調査を受けて分析などを披瀝していますが、大半の都民が「変化を感じるほどのことが起きていない」と思っていて、そしてそれが消極的支持につながっているという現状をまずしっかりと認識しなければなりません。
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とはいえ、この2年間で良い面・悪い面を含めていろいろな変化がありました。
昨日の都政報告会(超満員御礼!立ち見になった方、申し訳ありません…)を行うにあたり、この2年間を私なりにざっと分析。
何かこの2年間の小池都政を、俯瞰的に分析している書籍や新聞記事はないものか…と思いましたが、結局のところ私のブログがもっとも情報量が多いという結論に行き着きまして、過去2年分のブログ記事をざっとすべておさらいし、「良かった点」「悪かった点」に分けてまとめてみました。
まず「良かった点」はこちら。
(本日の都政報告会資料より。以下同)
画像だと見づらい人のために、テキストでも以下にベタ打ちします。
●給与カットなど身を切る改革の実施
●政党復活予算の廃止
●都民提案事業を予算化・実施
●ホームページ等の情報公開は促進
●待機児童対策の進展
●受動喫煙防止条例の制定
●LGBT施策の前進
●予算書が見やすくなった(メリハリ)
●工業用水道の廃止や下水道事業の一部民営化を検討開始
●医療的ケア児に対する施策の充実(スクールバス等)
●「働き方改革」で一部、帰りやすくなったとの声あり
待機児童や「ゼロ」が都知事選公約でもあり、ここで進展が見られるのは大きな成果です。
受動喫煙防止条例の制定などもインパクトがあり、現在の知事支持率に直結していることが推察されます。
続いて「悪かった点」は以下の通り。
●知事自身のブラックボックス化
●国政への進出失敗
●市場移転問題の大混乱
●東京五輪を巡る議論が低調・混迷(TTF問題など)
●特別顧問たちの突然の解任
●都庁人事が無茶苦茶に
●都議会公明党にべったりの議会運営
●希望の塾運営の頓挫
●婚活動画が炎上
●入札制度改革の失敗
●ビッグサイト問題が未解決(コミケのみ対応)
●LED交換キャンペーンの失敗
●時差ビズキャンペーンの効果が見えず
●「やらせ質問」疑惑の発覚
●虐待問題に対する対応の遅れ
項目数としてはこちらの方が多くなりましたね…。市場移転問題などは、細分化すればキリがなくなるので一つの項目にまとめました。
中には取り返しのつかない問題も多くありますが、ここから手法の変更や予算措置で挽回できる項目もありますので、ぜひとも失敗は失敗と客観的に見つめ、巻き返しを図っていただきたいと望むものです。
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ちなみに小池知事が都知事選でかかげた「7つのゼロ」公約に対する、私の現状認識は以下の通りです。
2年間で「達成」と評価できるものはなく、それなりに順調と言えるのは待機児童対策のみと言って良いでしょう。
多くの都民が小池知事に期待をした「東京大改革」は、大胆な変化だったはずです。
「悪くはなっていないから」という消極的支持に甘んじることなく、当初の志に立脚し、ぜひ後半2年間は「攻めの都政」となることを期待し、また私も議会から政策提言を続けていきたいと思います。
それでは、また明日。
編集部より:この記事は東京都議会議員、音喜多駿氏(北区選出、かがやけ Tokyo)のブログ2018年8月2日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はおときた駿ブログをご覧ください。