我が家では、主人が料理を担当しています。健康オタクなもので、これまで手掛けたヘルシーご飯としては、朝食に小麦粉をほとんど使っていないプロテインパウダー・ケーキ(本人いわくパン)、ヨーグルト使用のキッシュ、バンズにサツマイモを駆使したスライダー(ミニバーガー)など。一見ガテン系な主人のヘルシー食、クリエイティブ系の仕事柄見映えも十分で、身内のひいき目ながら、ユーチューバーとしてある程度稼げるような気がしております。
そんな主人の得意技が、カリフラワー。ご飯に混ぜたりリゾットのベースに仕立てたり、あるいはペースト状にしてピザ、ポテトの代用としてポタージュ風スープなどの品々に変身させます。炭水化物を摂取せず糖質をコントロールしながら、カリフラワー自体のカロリーも100gで約25カロリーとあって、食べるのも安心ですよね?おまけに、ビタミンC、ビタミンK、葉酸などが豊富に含まれるように、カロリーに対する栄養素が高く、総合栄養密度指数(ANDI)ではトップ14位に入るほど。日本でも健康意識の高い方々を中心に愛されていることでしょう。
医学博士のジョエル・ファーマン氏が提唱するANDI、トップ20位の野菜はこちら。
20位 ズッキーニ 164
19位 イチゴ 181
18位 トマト 186
17位 マッシュルーム 238
16位 アスパラガス 205
15位 ピーマン 265
14位 カリフラワー 315
13位 ブロッコリー 340
12位 キャベツ 434
11位 にんじん 458
10位 芽キャベツ 490
9位 ロメイン・レタス 510
8位 ルッコラ 604
7位 ほうれん草 797
6位 チンゲン菜 895
1位 フダンソウ 1,000
1位 クレソン 1,000
1位 高菜 1,000
1位 コラード・グリーン(キャベツの一種) 1,000
1位 ケール 1,000
ヘルシーで美味しい上に活用手段も多いカリフラワー、米国でも人気に火が点き始めています。一時期は2020年の民主党大統領候補との憶測が流れた、あのトークショーのカリスマが自身のブランドにカリフラワーを追加したのですよ。
米国通なら、もうお分かりでしょう。はい、オプラ・ウィンフリー氏です。
トークショー以外にも雑誌、自身のケーブル局などを有しメディアの女王ともてはやされるだけでなく、ダイエット関連事業まで手広くビジネスを展開するウィンフリー氏、新たにペーストの3分の1をカリフラワーとするピザなどカリフラワーを主体とした冷凍食品をラインナップに加えました。冷凍ピザは133gで280カロリーと通常の20%減、マッシュポテトに至ってはほぼハーフカロリーとあって、アメリカ人じゃなくとも飛びついてしまいそうです。
ウィンフリー氏がカリフラワーに着目するだけあって、足元で消費量は着々と増加してきました。米農務省によれば、2017年の1人当たりカリフラワー消費量(生、冷凍・缶詰全て含む)は前年比38.5%増の2.69ポンドと各種野菜別の伸び率ランキングで2位に輝きました。ちなみに1位は、鉄分が豊富なマメ・レンズ豆(乾燥)で51.4%増です。
主な野菜の1人当たり消費量、前年比の伸びを見るとカリフラワーの増加率が以下に特筆すべきかが見て取れます。
こちらで何回かご紹介する通り、米国の肥満率は先進国でも断トツの状況。医療費負担が重くのしかかる一因であり、財政と身体の健全性を維持する上でも、カリフラワーのようなヘルシー食の流行と普及は官民ともに必要でしょう。ウィンフリー氏のカリフラワー食品提供が肥満対策という選挙公約の一環なら、根回しは完璧?
(カバー写真:Daniel Cukier/Flickr)
編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2018年9月4日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。