こんにちは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。
いよいよ10月に突入しまして、都議会の会期も残りたったの5日間。
工業用水道に加え、「人権条例」についても10月5日は最終的な議決に参加しなければならず、昨日も当事者団体や法曹関係者と意見交換を重ねておりました。
参考過去記事:
全文が明らかにされた「LGBT条例」に浮かぶ多くの論点・懸念点。議論の時間は十分に確保できるのか?
上記の過去記事で詳説しているように、これは私が特に力を入れてきた政策分野である「LGBT(セクシャルマイノリティ)」「表現の自由」両者に密接に関わる内容になっており、まさにそれぞれの立場から意見は百花繚乱。賛否は真っ二つに分かれていると言っても良い状況です。
意見交換をすればするほど、調べれば調べるほど、この条例を条文公開からたった2週間で議決してしまって良いのか?という考えが募ります。
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で、今日はそんな意見交換の中である方と話していたのは、
「表現の自由にせよ、LGBTにせよ、数年前と比べても状況が大きく変わった」
ということについて。
そうなんですよね。例えば「表現の自由」については、私が山田太郎(当時)参議院議員とともにコミケ演説に初参戦したのが2014年。
過去記事:
ブロガー議員が冬のコミケに参戦して、表現の自由を訴えてみた
このときは参加議員が山田さんと私の2人だけで、聴衆もそれほど多くなく。山田事務所の坂井さんを含めて、3人で四苦八苦しながら2時間の街頭演説をこなしていたものですが。
2018年の今や、多くの地方議員・国会議員たちが応援に駆けつけ(連日5人以上は来ている!)、マイクを握る時間が不足するほどになっています。
同じように「LGBT(セクシャルマイノリティ)」についても、急激に政治的感度が高くなっており。
毎年行われる「レインボープライド」というイベントについて、私が初めて見に行ったのはたしか2015年で、正式に(?)主催者にあいさつしてブログ記事にしたのが2016年。
過去記事:
元LGBT失言炎上議員だけど、東京レインボープライド2016の応援に行ってきた
すでに国会議員や渋谷区長も参加していましたが、このときはまだ当事者議員以外の地方議員の姿は数えられるほど、という感じでした。
ところが1年毎に参加者は激増していき、2018年の今年はステージに乗り切れないのではないかと思うほどの地方議員たちがレインボープライドに参加しています。
当事者議員たちが議員連盟を立ち上げるなどの努力もあり、わずか数年で「LGBT(セクシャルマイノリティ)」は、政治家・議員のみならず多くの人々の関心を惹きつけるイシューになりました。
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このように定点観測をしていると、「何も変わらない」ように見える政治の世界でも、着実に進んでいるところはあるのだなと改めて感じた次第です。
だからこそ今回、こうした条例案が出てくることは喜ばしい一方、ある意味では理解者を増やしてきたこの流れ・バランスが崩れるきっかけになってしまわないかという懸念もあり…。
いずれにせよ今日の都議会総務委員会が、この人権条例を議論する山場となります。
私の出番はないのですが、ぜひ多くの方にネット中継をみていただき、ご注目いただければ幸いです。
最後まで考え抜きたいと思います。
それでは、また明日。
編集部より:この記事は東京都議会議員、音喜多駿氏(北区選出、かがやけ Tokyo)のブログ2018年10月1日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はおときた駿ブログをご覧ください。