3年前、シリアで武装勢力に拘束されたフリージャーナリストの安田純平さんが解放され、無事が確認された。
メディアでは自己責任論などさまざまな意見があるが、2004年にイラクで人質になり、帰国後激しくバッシングされ人間不信になったこともある認定NPO法人D×Pの今井紀明さんの意見が一番しっくりきた。
(引用)
安田さん、無事に帰ってきてほしい。僕たちができることは、暖かく見守って彼を受け入れること。自らの行動は、自分で振り返ればいい。周りがとやかくいうのではなく、僕たちは3年も人質として困難な生活を送ってきた彼を受け入れることが日本社会ができることだと思う。人質になる生活はいつ帰れるのかわからない、いつ殺されるのかもわからない。自分の命はここで終わるかもしれない。精神が病んでいく。きっとその生活の中でも辛い時や平穏なときとかもあったかもしれないが、身体を蝕んでいく。その生活を3年も送ってきたのだから、まずはゆっくり休んでほしい。
安田さんを問い詰める必要はない。安田さんは意思を持ってジャーナリストとして行動してきた。様々な意見があると思うが、安易に批判するのではなくまずは一人の人として受け入れる。そうすることで誰かが動き、挑戦していくことを応援できる社会にすることが僕たちができることなのではないだろうか。
(引用終わり)
匿名性が高いインターネットでは、断片的な情報だけで厳しく批判することもできる。そして、インパクトがある意見は、同じような考えを持った人たちの間でシェアされ、過激な考えが増幅されていく。
「一歩立ち止まる」、「社会の畳を柔らかくする」ことが大切ではないだろうか。
学生時代に路上生活者の炊き出しや見回りをした。一口に路上生活者といっても、さまざまな人がいる。性格がいい人・悪い人、生活態度がいい人・悪い人…
しかし、路上で暮らすということ自体がとても大変なことだ。皮膚病や内臓疾患にもなりやすい。横にいた路上生活者に荷物を盗られることもある。人間不信にもなりやすい。
まずは、受け入れること。
安易に原因を決めつけず、そして原因で区別せず、路上で暮らすということの大変さを想像し、まずは、温かい家で暮らす環境を整えることが大切だと痛感した。
安田さんを温かく受け入れる日本社会であってほしい。
もう少し知りたい!
●しんどさを抱えた高校生に「つながり」と「経験」を!(認定NPO法人D×P 今井紀明理事長)
<井上貴至 プロフィール>
編集部より:この記事は、井上貴至氏のブログ 2018年10月25日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は井上氏のブログ『井上貴至の地域づくりは楽しい』をご覧ください。