年の瀬に嬉しいニュースが舞い込んできました。
東京都「民間養子縁組あっせん機関による養子縁組あっせん事業の許可等について」
許可制とは?
予期せぬ妊娠をした妊婦さんの相談に乗り、子どもを望む育ての親に託す、特別養子縁組。
かつてこの特別養子縁組のマッチングは、届出さえ出せば誰でもできていたことで、一種の無法地帯でした。
それでも多くは善意と使命感で運営するNPO達によって担われていましたが、近年、「赤ちゃんくれたら何百万あげるよ」等と言って妊婦を集める、人身売買に近い業者が現れてきました。
そこで一部の特別養子縁組団体と関心のある国会議員の方々が力を合わせて作ったのが、「養子縁組あっせん法」です。
この法律によって、
(1)これまでの誰でもできる届出制から、厚労省の基準に基づいて、都道府県が許可(認可)を行う
(2)許可された団体を行政は支援する
ということが決まったのでした。
(普通は福祉の業界だと「認可」と言う言い方が保育園や福祉施設等でもポピュラーですが、認可は補助金もセットとなりますが、この「許可」は補助金とは直接セットではないので、その辺りが語の使い分けの理由なのではないかと推測します)
そんなわけで、あっせん法によって許可を受けていない事業者は特別養子縁組のマッチングに関わることはできなくなり、結果として人身売買事業者が締め出され、より透明性が高い、子どもの命を救う社会インフラとなっていくことが期待されている、ということになります。
フローレンスも許可事業者に
フローレンスは東京都に拠点があるので、東京都から許可を受けました。
2016年4月に「虐待死の半分を占める赤ちゃんの遺棄を無くしたい!」と言う思いで事業をスタート。そこから2年半で1200件以上の実親・妊娠相談を受けてきました。
その中で養子縁組委託は13件。新しい家族の誕生に、一つ一つ丁寧に関わってきました。
そうした成果が認められ、都からの許可を得られたのは、普通にやっていたら当たり前のこととは言え、すごく嬉しいものがあります。
これからも、不安に絶望する実母に寄り添い、不妊治療を続けながら赤ちゃんとの出会いを願う養親に寄り添い、子どもの最善を常に追求しながら、養子縁組支援を続けていけたらと思っております。
もし養子を迎えたい、と言う方がいらっしゃったら、説明会など定期的に開催していきますので、フローレンスの赤ちゃん縁組サイトにアクセスしてみてください。
応援してください
東京都行政から正式に許可された団体となったとは言え、まだまだリソースは足りていません。
例えば、より丁寧に相談に乗り、養親さんのサポートをしたいと思っているのですが、問い合わせが多く、人手が足りません。
新しい家族の誕生に伴走することを仕事にしたい、という方はぜひご応募ください。
また、働けないけど、寄付で応援するよ!と言う方も大歓迎です。
これからも虐待死ゼロの社会を目指し、応援してくださる皆さんとともに走り続けていきたいと思います!
編集部より:この記事は、認定NPO法人フローレンス代表理事、駒崎弘樹氏のブログ 2018年12月29日の投稿を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は駒崎弘樹BLOGをご覧ください。