丸の内には、東京都が設立した「Startup Hub YOKYO」と東京都中小企業振興公社が設立した「創業ワンストップサポートフロアー」が併設されるTOKYO創業ステーションがあります。この施設の1階には「Startup Hub TOKOYO」があり、2018年4月から株式会社ツクリエが受託運営をしています。
入り口には受付カウンターがあり、初めて行くとそこで施設やサービスの説明をしてくれます。受付を通るとラウンジがあり、そこは正にco-workingspaceの状況になっています。その先には無料のコンシェルジュ相談コーナーもあり、訪問時も相談している人がいました。また、キッズルーム、イベントスペースも設置されている。実際に起業準備をしているプレアントレメンバーに承認された会員は、メンバーズサロンも用意されているのです。
起業希望者向けの「コンシェルジュ起業相談」は、平日だけでなく、土日祝も開催されています。自分の相談内容を踏まえて、コンシェルジュのプロフィールを見て相談したい人を選び、HPで予約することになります。起業前から起業して間もない人が、更に特許や雇用等の専門家のアドバイスを受けたい場合は、毎週水曜日に開催されている「専門家無料相談DAY」を活用してもらうということになります。
ワークショップや交流会などのイベントも活発に行われ、壁面のボードにはビジネスを一緒にやってくれる仲間の募集コーナーもありました。起業に関心がある人、ビジネスモデルで不安を持っている人、仲間や起業家との交流を望む人等、つまり新規ビジネスがホワッとした状況にある人が対象となっているの施設が「Startup Hub TOKOYO」という事になります。
TOKOYO創業ステーションの2階にあるのが「創業ワンストップサポートフロア」です。ここの対象者は「Startup Hub TOKOYO」でビジネスモデルを確立した人が、更にブラッシュアップを望む、融資や専門相談を受けたい場合に利用される施設です。ビジネスモデルの具体化から事業化までのワンストップサービス、担任制度の下でのコンサルタントの並走システムが特徴となっています。つまり、ビジネスモデルを具体的な事業化に繋げていく役割を担っているのです。
東京が日本経済の中心であることは間違いありません。東京都も起業・創業に対するサポートを行政として拡充させてきていることは間違いありません。潜在的起業家➡創業準備期➡創業期➡成長期とレイヤーを分けて、それぞれの段階でのサポートを整理し、提供しています。
「TOKOYO Startup Gateway」でのスタートアップコンテストと入賞者への活動資金の提供。「青山スタートアップアクセラレーションセンター」での宿泊滞在機能を活用した短期集中育成プログラムの提供。「X-HUB TOKOYO」におけるベンチャー企業の海外展開支援等。僕が35年前、ニュービジネス・ベンチャー企業の育成を立教大学・野田一夫ゼミで学んでいた時代は、これ程のサポートが行政サイドに用意されてはいませんでした。
「先ず、やってみる」というビジネスサイドの精神、「先ず、やらせてみる」という行政の思考、「暖かく見守る」という政治家の決断。これらが相まって社会変革が生じ、持続的で生産性の高いビジネスが活発化し、結果的に税収が増え、社会的公平が担保できる財源と施策が確立されるのです。
編集部より:この記事は多摩大学ルール形成戦略研究所客員教授、福田峰之氏(元内閣府副大臣、前衆議院議員)のブログ 2019年1月27日の記事を転載しました。オリジナル記事をお読みになりたい方は、福田峰之オフィシャルブログ「政治の時間」をご覧ください。