日本人の民意:これでいいのか日本は!

「辺野古移設を反対する人が過半数を超えた」と現政権に反対する人たちが大喜びしている。では、普天間基地はどうするのか?この基地移転問題は、危険度の高い普天間基地を他に移すことから始まったものだ。一旦落ち着いていた状況を一変させ、このような混乱を招いた元凶は、民主党政権時に、目算もなく「基地を沖縄県以外に移設する」と言った元総理の発言である。

この方は、2-3日前の北海道の地震でも、とんでもないデマを流布している。この元総理の罪は大きい。民主党政権時に混乱を引き起こした人たちが、政党名を変え、自分たちのしたことを忘れ、反省もなく、政局にする。日本人の矜持はどこに行ってしまったのだろうか?

写真AC:編集部

児童相談所を作る、保育園を作る、終の棲家を作るなどというと、評判が落ちる、周辺がうるさくなる、近くで死を見たくない、といった反対運動が起こる。3つ目の死を見たくないは、日本人の死に対する怖れ・穢れ潜在意識が生み出すものだ。生きるものすべて死を迎える。死は万人に等しく訪れるものだ。病院では、医師や看護師が日々、死と向き合っているのだ。

自分はどんな死を迎えたいのか、家族にどのような死を迎えて欲しいのか、真剣に向き合えばと思う。このような記事を読むと悲しくなってしまう。

児童相談所も、保育園の問題も、必要性をわかっていても、自分の回りでは目障りであるかのような議論になってしまう。総論賛成、各論反対はこの国では珍しくない。総論では賛成だが、最終的には自分の損得が優先される、そんな行動原理が常態化しつつある。ごみ処理場、火葬場の設置などでも、繰り返された課題である。必要だが自分の身近では嫌だ、こんな発想では、いずれ歪が大きくなり、破綻が生ずるのは間違いない。

「公(おおやけ)」に対する心構えについての国民的な議論が必要だ。基地などない方が良いに決まっている。県民投票の結果も普通に考えれば当然である。では、どうするのか、旧民主党議員は、旧民主党政権が引き起こした混乱に対する落とし前をつけて欲しいものだ。

そして、国政の場では、揚げ足取りのような議論が繰り返されている。国会のワイドショー化、劣化が止まらない。桜田大臣の池江選手に対するコメントなど、メディアによる悪意が透けて見える。一方的に非難をした政治家が、反省の弁も述べないことも、政治家の劣化を示すに十分だ。野党は、反対はするが、対案を示せず、時間と税金を無駄遣いしているだけの存在に思えてならない。米朝会談も目を離せない状況だ。そして、米中貿易問題が、じわじわと日本の経済に打撃を与えつつある状況下では、国会で議論すべきことは他にもたくさんあるはずだ。

医療だけではなく、これでいいのか日本は!と叫びたくなる。


編集部より:この記事は、医学者、中村祐輔氏のブログ「中村祐輔のこれでいいのか日本の医療」2019年2月25日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。