こんばんは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。
昨日は都議会一般質問2日目。私も10番手として登場しました。
質問内容は市場移転問題から都政改革、住宅本部を筆頭とする組織改編まで多岐に渡りましたが、特別委員会でも取り上げた「分身ロボット」について一般質問でも言及。
そしてその分身ロボット「OriHime(オリヒメ)」が本会議場に初登場!
実際に動かすためには電源&ネット環境が必要なので、OFFの状態で姿の紹介だけに留まりましたが…
9分の一般質問を、オリヒメとともに駆け抜けました。
参考過去記事:
東京五輪・パラリンピック都市ボランティアに、障害者等140名が応募!参加の門戸を広く開け
質問・提案内容は前回の委員会質問とほぼ同じで、障害や難病でいわゆる「寝たきり」状態の方でも、分身ロボットカフェで接客業を行えた実績がある。分身ロボットでの五輪・パラリンピックボランティアへの参加希望を受け入れ、実現すべきだ!というもの。
こうした分身ロボットによるシティキャスト(都市ボランティア)参加については、小池知事より
「障害等で外出が困難な方々に対しても、本人のご意向を踏まえて、活動内容について幅広く検討していく」
という前向きな答弁がありました。
折しも昨日、国会に「分身ロボット」が登場したことがニュースになったばかりで、この注目度は日増しに高まっています。
引き続き、「分身ロボット」による五輪・パラリンピックのボランティア参加が実現されるよう、政策提言を様々な機会に、しつこく!行っていく次第です。
「動いているオリヒメが見てみたい!」
という方は、すっかりおなじみになった「やなチャン!」でご覧くださいませ。一般質問の解説もあり〼。
後段には、一般質問の動画と全文も掲載しておきます。
本日も委員会質疑のため、簡潔ながらこんなところで。
それでは、また明日。
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はじめに、オリンピック・パラリンピックにおける、障害者などのボランティア参加についてお伺い致します。定数を上回る応募のあったシティキャストの選考・採用においては、「障害の有無などに関わらず、多くの方々に活躍いただけるよう取り組む」とされています。実際に、140名の障害者・なんらかの支援を必要とされる方がシティキャストに応募されていることが、先の特別委員会でも明らかにされたところです。中には難病や重症心身障害による、寝たきり状態の方もいらっしゃいます。その彼らが参加方法として、使用を希望されているのが「分身ロボット」です。
昨年、都内で行われた「分身ロボットカフェ」という企画では、等身大の分身ロボットを操作して、いわゆる寝たきりの方々が接客業を行ったことが大きな話題となりました。その小型版のロボットを、少しご紹介したいと思います。
こちらの小型版分身ロボットは、スマホで操作ができ、ネット環境があるところであれば、遠方にいてもロボットの目を通じて光景が共有され、会話にも参加することが可能です。手や首も動きます。単なるテレビ電話とは臨場感がまったく異なり、実際に利用した障害者からは高い評価を得ています。こうしたロボットを通じて、寝たきり状態にある方が通訳や会場案内でボランティア参加をしたとすれば、まさに五輪史上初めての出来事であり、ダイバーシティを目指し、二度目のパラリンピックを迎える東京都にとって非常に大きな一歩となります。
分身ロボットによるシティキャスト参加をぜひ実現すべきと提案いたしますが、知事の見解をお伺い致します。また現在、実際に応募がきている分身ロボット使用を希望する方に対しては、今後どのような対応を行っていくのか、都の見解をお伺いいたします。
次に、組織改編についてお伺いいたします。年明けに急きょ発表された住宅政策本部新設を始めとする組織改編は、あまりにも突然のものでした。昨年末の定例会で知事が、2020東京大会後の組織再編を示唆してから数ヶ月と経たずに今回の発表です。知事の任期はすでに終盤に差し掛かっており、通常こうした組織改編というのは、自らの公約を達成するために任期の序盤に行うべきものです。なぜ、ご自身の選挙が迫ったこの時期なのか。そこには、都民のため以外の意図があるのではないかと感じられてしまいます。
とりわけ住宅局は、都市計画との一体化を目指す観点から、都市整備局に統合された経緯があります。空き家が増加し、都営住宅の見直しも指摘されるいまこそ、むしろ一体的・総合的な政策が必要です。組織が膨張することは、都政改革とも逆行します。また、議会承認が不要である「本部」で組織改編を行うことにも疑問を覚えます。なぜ昨年末の方針を転換して、いま組織改編を行ったのか、とりわけ住宅政策本部は本当に都民にとって必要な組織改編なのか、知事の所見をお伺いいたします。
次に、都政改革についてです。都政改革は完全に停滞しています。改革のエンジンであった特別顧問たちが去って以降、「見える化改革」は従前の方針をなぞるばかりとなり、抜本的な改革をしようとする意志は目に見えて失われてしまいました。今こそ、改革の原点に立ち戻らなければなりません。
そこで、旧都政改革本部が残した魂とも言える遺産が、公営企業の民営化、下水道コンセッションの導入です。昨年の国会で水道法が改正され、水道事業における民営化・コンセッション方式の導入に注目が集まっています。また、東京都水道局では入札情報の漏洩や、外郭団体における虚偽報告などの不祥事が頻発しており、「公共でやれば民間より安全」というのは幻想であることは明らかです。むしろ民営化という選択肢を持つことで行政側への緊張感が生まれ、市場原理が働くことでサービス向上も見込めます。
こうした公営企業の民営化に向けて、浜松市や大阪市でも先進事例が生まれつつある下水道コンセッションに東京都が踏み出すことは、非常に大きな意味のある一歩です。当時の知事は提出された改革案に対して、「コンセッションを真剣に考えてほしい」という旨の言葉を残されていました。まったく正しいことだと思います。この想いに変わりはないのか。下水道コンセッションを断固として進めていく意志はあるか。知事の考えをお伺いいたします。
最後に、築地市場跡地と市場会計についてお伺いいたします。一昨年から本会議、予算特別委員会で知事に直接、何度も申し上げている通り、知事が都民に約束した基本方針は、完全に変節しています。
考えや政策が変わることは、望ましいことではありませんが、状況によってはありえることだと思います。もっともやってはいけないのは、自身の変節を認めず、それをごまかすために新たな行政負担・都民負担を生じさせることです。いま知事が進もうとしているのは、まさにその道であります。
有償所管換えは従来から我々も主張してきたことではありますが、都知事選の1年前となるこのタイミングで、なぜ補正予算なのか、なぜ基本方針が変わったのか、疑問は尽きません。知事は「考え方はまったく変わっていない」と強弁されておりますが、知事の心の中はどうであれ、都議選前の発表によって多くの都民・市場関係者が、築地に市場を残すと受け取ったことは、紛れもない事実であります。
知事はその事実をどのように受け止めていらっしゃるのでしょうか。都議選前に公約した基本方針が撤回されたことを認め、都民の疑問に正面から答えるべきと考えますが、知事の見解をお伺いいたします。
築地跡地活用も不透明です。現在示されているプランだけでは、市場の建設費用をどのように回収するのか見通しが立たないばかりか、新たなハコモノ運営にさらなる都民負担が生じかねません。知事は、二言目には民間の活用を述べておられますが、定期借地で大型投資を行う民間事業者がいることは極めて考えづらく、民間の力というものをあまりにも都合よく解釈しすぎではないでしょうか。
都が保有したままでまとまった収益をあげるとすれば、集客施設はカジノを含むIRとする以外は考えづらく、それ自体は一考に値するものの、すべてを未定としたまま都税を投入しようとする姿勢は、あまりにも不誠実です。現段階の生煮えプラン・無為無策の開発スキームでは、議会側が補正予算案の賛否を明らかにするのは困難です。知事は補正予算案を撤回し、プランを再考の上、時期を置いて再提出すべきと考えますが、知事の見解をお伺いいたします。
さらに一方で、築地市場跡地を一般会計に売却したとしても、市場会計の永続性がまったくの未解決です。年間160億円の継続的な賃料収入で市場会計を維持するという荒唐無稽なプランも消えた今、市場会計にお金を入れても、それは穴の空いたバケツに水を注ぐことに等しい状態です。赤字が慢性化している中央卸売市場というモデルそのものを見直さなければ、場当たり的に都税を投入することは認められません。
代表質問でも、市場の民営化を求める声が上がりました。この提案には、我々も大いに賛成です。実際、大阪府は2012年から中央卸売市場に指定管理者制度を導入しており、収支改善と市場の活性化に成功しています。
しかし、昨日までの答弁を聞いておりますと、知事と市場場の考え方に隔たりがあるようにも感じます。豊洲市場を含む中央卸売市場は、できる部分からコンセッション方式を導入するなど民営化を進め、長期的には完全民営化まで視野に入れた検討を早急に始めるべきと考え、提案いたしますが、東京都の統一的な見解を知事にお伺いいたしまして、私の質問を終わります。
編集部より:この記事は、あたらしい党代表、東京都議会議員、音喜多駿氏(北区選出)のブログ2019年2月29日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はおときた駿ブログをご覧ください。