知財本部:進展する海外コンテンツ展開

知財本部 検証・評価・企画委員会コンテンツ分野会合。
吉本興業大崎さん、カドカワ川上さん、講談社野間さんら出席。
コンテンツ海外展開・人材育成について、内閣府、総務省、外務省、文化庁、経産省、法務省から報告。

まずコンテンツ市場の概況を共有。
国内市場はゲームは伸びているが全体は横ばい。
海外市場は5年で26%拡大。
訪日外国人は3千万人を突破し、多くがポップカルチャーに期待して来日。
政策の肝は依然アウトバウンド・インバウンドに置かれます。

ネットワーク配信は2008年の9.5%が26.0%まで拡大したが、マンガ40%、アニメ15%、音楽8%、動画4%。
分野によって差が大きい。

アニメは特に2015年以降、海外展開が急速に進展。
3年で3倍に増加している。
音楽は日本市場は横ばいだが海外がストリーミングで成長基調に。
国内はライブ入場料収入が急増。

ゲームはオンラインゲームの拡大で完全復活。
8年で規模が倍増。
世界市場もアジアを中心に拡大している。
出版、映画などとの明暗は、ここ10年のネット・海外対応の戦略差がもたらした面もあるでしょう。
経産省・高木課長:コンテンツは海外展開からインバウンドへと状況が動き、次のフェーズ。変化した流通構造に対し、強いコンテンツをどう乗せるかがポイント。

総務省・渋谷課長:ASEANではスマホでTVを見るのが常態。この環境にどう適応するのか。

正しい認識です。舵取りのほど、よろしく。

法務省がクールジャパン外国人材の受け入れ策を報告。
専門士の資格を持って融資創作活動に従事する場合は在留可だが、アニメ色つけ作業への従事だとダメとの解釈。
ただ、クールジャパン分野の留学生が就職できる業務の幅を広げる措置を講ずるとのこと。
CiP特区に導入できればと考えます。

ここでNHKから「通信・放送で著作権処理が異なることが配信のネック。法改正を求める」という超級の問題提起がなされました。
著作権問題が通信・放送融合の本丸です。
15年ほど前、この制度整備に総務省が失敗して以来、放置されています。
同時配信が見えてきた今、改めてアジェンダに登ります。


編集部より:このブログは「中村伊知哉氏のブログ」2019年3月18日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はIchiya Nakamuraをご覧ください。