将来の国民負担を減らすための新たなコンセプト

鈴木 馨祐

国会は来年度の予算審議の真っ最中で、私も参議院担当の財務副大臣として連日国会審議の場に出席しています。昨年、一昨年と青年局長等の党務が中心だったため、本会議以外には決算行政監視委員会への出席のみだったことを考えると、立場が変わったことで、仕事の性質も大きく変わってきている感じです。

写真AC:編集部

さて、来年度の予算に関しては、しかるべき時期に結論を得て国民生活に不可欠な予算が着実に執行できるように、審議に全力を傾注していくわけですが、他に、中長期的に進めていかねばならない課題がいくつもあるのも事実です。

特に今年の10月の消費税率の引き上げ。有権者の方をはじめとした国民の多くの方々の反応は、「消費税率の引き上げの必要性は理解できるが、将来どこまで負担が増えるのか、見通しが立たないのが最も心配」というものです。

特に気候変動の影響もあり、自然災害が頻発することが予想されることから、様々なインフラ整備のニーズが高まっていく可能性が高いこと、高齢化や高度化により医療費を中心とした社会保障の伸びがより一層予想されること、社会課題の多様化やニーズの多様化により地方自治体等が担っている行政サービスについても領域が増えていくことが予想されること、等を考えれば、将来に亘って従来のやり方のままでいいのかということは、きちんと検討することが必要です。

様々なアプローチが可能性としてはありますが、一つには、従来国民の皆さまの税金で、プロの公務員が行っていた領域であっても、本当にそれが必要なのか、より効率的なやり方はないのかをゼロベースで見直すことが必要です。

インフラにあっては、キャッシュフローを生み出すインフラに関しては、所有とオペレーションとファイナンスを切り分ける枠組みを作ることで、民間資金の呼び込みと効率化による公的負担の削減がかなり可能になりますし、医療分野においても、医療マーケットの伸びと公的負担の伸びを切り離すような手法の大胆な導入が不可欠です。また地方行政に関しても、Social Impact BondやCollective Impactといった考え方を制度として確立することで、かなりの変化が可能です。

言ってみればこうしたSmall Government, Big Societyのコンセプトで次世代型行政をどう構築できるかが非常に重要であって、我々は待ったなしで真剣な検討を行っていく必要があります。私自身、一昨年来仲間と議員連盟を立ち上げたり、党内での議論でこうしたことを主張してきましたが、さらにこうした議論を深化させていきたいと思います。


編集部より:この記事は、財務副大臣、衆議院議員の鈴木馨祐氏(神奈川7区)のブログ2019年3月20日の投稿を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「政治家  鈴木けいすけの国政日々雑感」をご覧ください。