3歳児の壁を越える「足立ルール」とは何か

駒崎 弘樹

待機児童問題解消のために、0〜2歳児を預かる小規模保育が爆増しています。

しかし一方で、3歳以降でまた保活をしなくてはならず、保護者の大きな負担になっています。

時に再度の保活をしたあげく、3歳で認可保育所入所に落ちてしまうケースもあり、「3歳の壁」として大きな問題となっています。

写真AC:編集部

「足立ルール」とは

そんな3歳の壁を解決する、自治体の取り組みが出てきました。

それが「足立ルール」(先行利用調整)です。

これは簡単にいうと「4月に保育園入りたいと思ったら、普通は12月はじめくらいまでに申し込んで2月に保育園入れるかどうか決まるけど、小規模保育の卒園児は9月に申し込んで10月には分かる仕組みにする」です。

一般申し込みに先行して、小規模保育卒園児に枠を割り当てる(利用調整)仕組みです。

こうすれば、小規模保育から3歳以降の認可保育園への接続が確実になり、3歳でまた保活に苦労することもなくなるわけです。

考えてみたらなんで無かったの、っていう仕組みですが、小規模認可保育所という仕組みができたのが2015年だったので、自治体が考えついて実行するまで4年くらいかかったのだろうな、と思います。

*出典:足立区HP

足立ルールを全国化しよう

今後はこの「足立ルール」(先行利用調整)が先進的な自治体のみの制度で終わらないよう、内閣府が通知等で全国化させていって頂けると良いと思います。

また、最近は国会でも待機児童問題や保育所問題についてとんと議論がされていませんが、国会議員の方々もしっかりと本テーマについてご議論頂けたら、と思います。


編集部より:この記事は、認定NPO法人フローレンス代表理事、駒崎弘樹氏のブログ 2019年6月27日の投稿を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は駒崎弘樹BLOGをご覧ください