熱帯低気圧から台風に変わったのは、何かの前触れなのでしょうか?
嵐を呼ぶ男、トランプ大統領が大阪に到着しました。28〜29日に開催される20ヵ国・地域(G20)首脳会議では目が回るようなスケジュールに追われるというのに、モリソン豪首相とのツーショットは余裕の表情でしたね。
日本のマーケットを直撃しかねないトランプ大統領の分刻みのスケジュールは、師匠が既にご案内済みですが、以下の通り。出典はこちらです。
【27日】
晩餐 モリソン豪首相
【28日】
午前8時30分 安倍首相
午前9時15分 安倍首相、モディ印首相と三者会談
午前9時35分 モディ印首相
午前10時15分 メルケル独首相
午後2時 プーチン露大統領
午後3時30分 ボルソナロ伯大統領
【29日】
午前8時15分 サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子
午前11時30分 習主席
午後1時5分 エルドアン土大統領
——トランプ大統領、安倍首相、モディ首相は、前回2018年12月1日に続きインド太平洋戦略について協議すること間違いなしですね。トルコのロシア製ミサイル防衛システム”S400”導入計画が問題視されるなかでも、プーチン露大統領だけでなくエルドアン土大統領とも会談するというのは、イランが脳裏にあるのでしょうか。また、習主席と初めて会談を予定するボルソナロ伯大統領とも、膝を突き合わせます。
注目の習近平主席との首脳会談、決戦は金曜日ではなく土曜日の午前中です。事前に①残り約3,000億ドル相当への中国製品に対する追加関税発動を見送りへ、猶予期間は6ヵ月、②両国から別々の声明公表を検討、③中国側は華為技術(ファーウェイ)禁輸措置の解除を要請——など報道される通り、着々と準備が進んでいる様子が浮かび上がってきます。その一方で、米国側は中国に対米輸入額を現水準から3,000億ドル上乗せするよう求めたとの話も。前回の2,000億ドルから引き上げられていますが、2018年の中国の対米輸入額が1,202億ドル、2017年でも1,298億ドルだったことを踏まえれば、現実的ではありませんね。
振り返って前回、2018年12月1日にブエノスアイレスG20で開催した米中首脳会談では、2,000億ドル相当への中国製品に対する関税率を10%で据え置くことで合意できました。その裏で再び現在のような緊迫した事態を迎えたわけですが、両国は同じ道をたどるのか、ようやく前進するのか。運命の日は、刻々と迫りつつあります。
(カバー写真:The White House/Flickr)
編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2019年6月27日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。