「Go West」と聞いてビレッジ・ピープルを思い出すのか、ペット・ショップ・ボーイズに思いを馳せるのか、西城秀樹の顔が浮かぶのか、年代によって変わってくるのでしょう。
それはともかく、アメリカ人はここ数年、世界で親しまれたこのヒットの曲よろしく、今さら西部開拓というわけでも、同性愛者が安楽の地を目指すわけでもなく、西を目指す傾向が高い。資産データ会社スマートアセットによれば、米国で最も安全で価格上昇が約束された都市は西部を走るロッキー山脈に接するコロラド州ボルダーでした。何と、5年連続でトップに君臨しているのですよ。しかも、コロラド州はトップ10圏内に3都市も送り込んでいました。もうひとつ、テキサス州から3都市がベストテンにランクインしています。
トップ10はご覧の通り。
1位 コロラド州ボルダー
→1994年1〜3月期から住宅価格は3.7倍に、住宅価格が向こう10年間で5%下落する確率はゼロ
2位 テキサス州ミッドランド
→1994年1〜3月期から住宅価格は3.6倍に、住宅価格が向こう10年間で5%下落する確率はゼロ
3位 テキサス州オースティン−ラウンド・ロック-ジョージタウン
→1994年1〜3月期から住宅価格は3.4倍に、住宅価格が向こう10年間で5%下落する確率はゼロ
4位 コロラド州フォートコリンズ
→1994年1〜3月期から住宅価格は3.5倍に、住宅価格が向こう10年間で5%下落する確率は2%
5位 ノースダコタ州ビスマルク
→1994年1〜3月期から住宅価格は3倍に、住宅価格が向こう10年間で5%下落する確率はゼロ
6位 カリフォルニア州サンフランシスコ-サンマテオ-レッドウッドシティ
→1994年1〜3月期から住宅価格は4.8倍に、住宅価格が向こう10年間で5%下落する確率は19%
6位 カリフォルニア州サンノゼ-サニーベール-サンタクララ
→1994年1〜3月期から住宅価格は4.6倍に、住宅価格が向こう10年間で5%下落する確率は19%
8位 コロラド州デンバー-オーロラ-レイクウッド
→1994年1〜3月期から住宅価格は2.8倍に、住宅価格が向こう10年間で5%下落する確率は17%
9位 テキサス州ヒューストン・ザ・ウッドランズ-シュガーランド
→1994年1〜3月期から住宅価格は2.74倍に、住宅価格が向こう10年間で5%下落する確率は17%
10位 ワイオミング州シャイアン
→1994年1〜3月期から住宅価格は2.7倍に、住宅価格が向こう10年間で5%下落する確率はゼロ
(出所:Smartasset)
見事に、西側ばかりの州が並びました。ニューヨークをはじめ東海岸への人口流入が西部や南部ほど活発でないのか、安全で資産価値の上昇が見込まれる都市・都市圏として東部はトップ10に食い込んでいません。
そういえば、筆者が住んでいたニューヨークからも、友人が何人も旅立っていきました。家賃の上昇、住宅価格の高騰に耐え切れず、少なくとも2組の家族はテキサス州オースティン、テキサス州ヒューストン、ジョージア州アトランタへ引っ越していきました。そのうちの1組の夫婦は南部でワークライフバランスのとれた生活を満喫し、旦那様なんてビール腹からシックスパックに早変わりした姿をソーシャルネットワークで頻繁に披露していらっしゃいます。ストレスから解放され、身も心もヘルシーになったようです。
(カバー写真:Rocky Mountain Joe/Flickr)
編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2019年7月29日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。