アメリカ軍もVRを導入?VRで変わるこれからの仕事とは!

Photos by K.Bito

2時からの会議は、カリブ海を眺めながらにしようか?それとも、ウユニ塩湖の中がいい?

--<VR+5G>で変わる仕事、変わる業界、変わる働き方、新しく生まれる仕事、稼げる仕事とはなにか?今回は、『VRが変えるこれからの仕事図』(赤津慧:著,鳴海拓志:監修,光文社)を紹介したい。

VRの技術はエンターティンメントのみならず、海外では軍事産業に導入されている。リアルな戦場では、刻一刻と状況が変化するなかで正確な判断が求められる。判断を誤れば、仲間を危険にさらし、自らも命を落とすことになりかねない。最前線の戦地に派遣される兵士は厳しい訓練を日夜おこなっていると、赤津氏は指摘する。

「基礎的な訓練はもちろんのこと、実戦形式でのトレーニングを何度も重ねています。その実戦形式でのトレーニングは、実際の戦場を模したフィールドでおこなわれます。リアルな戦闘場面を再現するには多額のコストがかかります。また、何度も繰り返しトレーニングするのもコスト面で限界があります」(赤津氏)

「この課題を解決すべく注目を集めているのがVRであり、実際、実戦形式のトレーニングにVRが採用され始めています。VRの大きな特徴に、『没入感』があります。それも、脳が錯覚してしまうほどの没入感です。仮想空間ではあるものの、まるで自分が戦場にいるかのような臨場感を得ることができるのです」(同)

この特性を駆使し、VR上で何度も同じシチュエーションにおける訓練を繰り返し、状況をランダムに変更して、不測の事態への対応や瞬時の判断能力がトレーニング可能になる。

VRなどの技術を軍事に応用することについては反対意見もある。インターネットやGPSがそうであったように、 軍事産業で活用されることでテクノロジーが進化する側面もある。今後、VRの技術において、同じような流れになることも考えられるだろう。

[本書の評価]★★★(74点)
評価のレべリング】※標準点(合格点)を60点に設定。
★★★★★「レベル5!家宝として置いておきたい本」90点~100点
★★★★ 「レベル4!期待を大きく上回った本」80点~90点未満
★★★  「レベル3!期待を裏切らない本」70点~80点未満
★★   「レベル2!読んでも損は無い本」60点~70点未満
★    「レベル1!評価が難しい本」50点~60点未満
星無し  「レベル0!読むに値しない本」50点未満
2019年に紹介した書籍一覧

尾藤克之
コラムニスト、明治大学サービス創新研究所研究員
※14冊目の著書『3行で人を動かす文章術』(WAVE出版)を出版しました。