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>>>一般質問解説① フリースクールやサポート校へ通う生徒への支援 はこちら
>>>一般質問解説② 児童虐待を防ぐために はこちら
>>>一般質問解説③ 誰もが自分らしく働ける社会とは
>>>一般質問解説④ 学校の内外を融合させていくために
>>>一般質問解説⑤ ライフスタイルの転換「二地域居住」
>>>一般質問解説⑥ 再生可能エネルギーの地産地消拡大に向けて
>>>一般質問解説⑦ ベイエリアで描く官民がチームになる方法
>>>一般質問解説⑧ 都庁職員のマインドの転換を期待して
こんにちは、東京都議会議員(町田市選出)のおくざわ高広です。
一般質問自体の解説は前回で終了しましたが、その裏話的なやつを。質問を終えて、大きな反響を得た写真が、こちら。
残り時間0分0秒。
私たちに与えられた時間は9分で、1秒でも過ぎると厳しい注意を受けてしまいます。壇上には時計があり、カウントダウンされていきますので、中々のプレッシャーになります。とはいえ、1秒たりとも無駄にはしたくないということで、文章の精査や読む練習を繰り返して臨むわけです。
私の質疑の作り方は、実際に質疑する内容の倍くらいのテーマを担当者に投げかけ、どんな回答が出てくるかという反応を探りながら精査していくものです。最初に投げかけたときは、10テーマで10,000字を越えていたと記憶しています。たぶん質問として成立する(ちゃんと正面から答えてもらえる)のは半分くらいになってしまうだろうなと思っていたのですが、嬉しい誤算で8問が成立する状況。しかも担当職員の前向きに頑張りたい気持ちも伝わってくる。どうすれば9分でおさまるのか。
同僚の森沢都議、斉藤都議にもチェックしてもらいながら、なんとか4,000字くらいまで来たのが前日のこと。さぁ、ラストスパート、家に帰って読む練習を繰り返そうと思い、新宿駅に向かうと、人身事故により全線運休…
都議会の会議室に泊まろうかとトボトボと歩いていると、同僚の2人から
「ホテル代は3人で分ければいいから、ホテルとって万全で臨んで」
と温かいメッセージが。2人に甘えて、ホテルをとり、深夜まで練習を繰り返しました。
当日になって、あとは自分の順番が来るのを待つだけと思いきや、本会議直前に担当者が控室に飛び込んできます。なにかと思えば、答弁内容をもう少し見直したい…いろいろな政治的要素が絡むのかどうかは分かりませんが、当日になって答弁内容が変わるというのは解せない。都議会の本会議では一言一句に至るまで事前にすり合わせをします。これは良し悪しあると思いますが、何度も職員の方と意見交換すること自体に大きな意義があると私は感じるところです。
だからこそ、遅くとも一週間前には質問を投げかけているのに、当日の変更はないだろというのが本音です。実は、これまでの一般質問でも毎回当日の変更が出てくるので、多少慣れてはきましたが。そんなやり方をするなら一から質問も書き直さねばならないから持ち帰ってくれと押し問答。最終的に質問が完成したのは、質問の1時間前頃でした。こうしたやり取りを踏まえ、この部分にはかなりのチカラが入ってしまいました。
「より幸せな都民の暮らしを支えるのは、都職員の皆さん一人一人にほかなりません。さらなる都政改革を進めるためのマインドの転換、行動変容を期待」
本会議における一般質問は、私でいえば15ヶ月ぶりの舞台であり、都議会においては大変重い機会になります。それだけ都の職員さんも気を遣った答弁になります。会社において一年に一回程度しかない機会といえば役員プレゼンなどが考えられますでしょうか。政治と言われると、少し遠い感じがするかもしれませんが、そこに至るまでの人間模様も知っていただけたら、政治がもっと身近に感じられるのではないでしょうか。
編集部より:この記事は、東京都議会議員、奥澤高広氏(町田市選出、無所属・東京みらい)のブログ2019年10月9日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はおくざわ高広 公式ブログをご覧ください。