いまだ蔓延る悪質な医療デマ広告・記事…。配信側の取り締まりが必要

音喜多 駿

こんにちは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。

今週は予算委での集中審議が設けられたことにより国会も正常化されまして、まずは衆院で質疑が始まっています。

私の質問は、7日(木)の午後となる見込みです。

また日本維新の会は私個人のみならず、政党全体で事前に質問通告書を公開していくことを決定しました。

こちらのTwitterアカウントなどで、前日までに質問通告書そのものが公開されます。

質問内容が事前にわかると、興味があるところだけネット中継で見たい有権者にとっても非常に有益になるはずです。

通告書が「情報漏えい」扱いされるような類のものではないことは、これらを見れば一目瞭然であると思います。

国会改革に向けて本質的な変化が起こせるよう、維新はできることから身を持って実行して参ります。

さて先般、党の厚労部会に出た際に薬機法が話題に出たので、誤った医療情報を提供している不適切サイトの取り締まり状況について、厚労省の担当部門から改めて本日ヒアリングを行いました。

都議会議員時代に「WELQ(ウェルク)」問題に取り組み、一定の成果を出せたところでありますが、あれから3年が経っても未だにネット界には不適切な医療情報・違法広告が溢れているのが実情です。

参考過去記事:
医学デマサイト「WELQ(ウェルク)」が全面非公開へ!人々の命を守る都の「健康安全部」も大活躍

現在は広告の発信元がわかっている場合は所在自治体が、そうでないものについては厚労省が対応。

パトロールを行い発見したものや、通報があったものにも対応して一定の成果を上げているとのことですが、情報の増加量に対応力が追いついていないように感じられます。

また、あくまで現在厚労省の対応指針としては、不適切情報を発信する「発信元」の事業者を取り締まることに重きを置いており、その広告を配信するプラットフォーマー(広告配信会社)には積極的な対応をしておらず、また取り締まる明確なガイドライン・指針も存在しないとのことでした。

ここに、大きな改善点・課題があります。

確かに「発信元を取り締まれば消えるだろう」という発想は間違いとまでは言い切れませんが、「バレたら消して、それまで荒稼ぎできればいい」という考えの業者に対しては抑止力にならず、違法広告は増え続けます。

そこで、「薬機法上、不適切な広告を拡散したプラットフォーマーも厳しく取り締まる」という方針を明確に打ち出して、厚労省が正式な通知を出せば、薄々グレーだと気づきながら広告を配信している事業者にはかなりの効果があるはずです。

加えて、増え続ける違法キュレーションサイトやPR記事を効率よく発見していくためには、AIを活用したパトロールプログラムの開発・導入を検討してはどうかと提案しました。

これについては、すでに民間で独自にプログラムを開発しつつある方もおられます。

【参考】ヤクパト

昨日の意見交換では、担当者レベルではそれなりに理解をしていただけたように思います。

ただ、厚労省が新たに「通知」を出すハードルは極めて高く(大きな社会問題が起きた時など)、それまでは現実的には個別対応が続くということで、それでは違法な医療デマが拡散していく現状を抜本的に変えることができません。

何かあってからでは遅く、往々にして何かあったときには逆に突然厳しい規制・過剰な対応が行なわれてしまうもの。

本件については個人での提言を続けていくと同時に、組織的にも政策として取り上げられないかを模索しながら、一刻も早い医療不適切サイトの根絶に向けて尽力して参ります。

それでは、また明日。


編集部より:この記事は、参議院議員、音喜多駿氏(東京選挙区、日本維新の会、地域政党あたらしい党代表)のブログ2019年11月5日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。