旧社会党の復活以上か?レフトスタンドで集合する野党と独自路線を貫く山本太郎氏の本気

こんにちは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。

今年もあと2週間となり、解散総選挙の噂も絶えず、永田町では野党合併の話が盛んに取り沙汰されています。

どうやら今回は立憲民主党・国民民主党が先祖帰りして「帰ってきた民主党」になるだけに留まらず、社民党まで合流し、共産党と選挙協力するという奇天烈な展開になりそうです。

「55年体制・旧社会党の復活」

などと揶揄されますが、当時は共産党は独自路線を堅持してましたから、共産党が加わるだけ「さらに左」のポジションを取る政党が爆誕する見込みとなっております。

会談後、報道陣の取材に応じる枝野、志位両党首(日本共産党HPより:編集部)

言うまでもなく、日本の有権者のボリュームゾーンは「中道(穏健)右派」なので、冷戦中ならまだしも現代でこんな左旋回した政党が政権を取れることはまずありません。

それにもかかわらず、「政権交代を目指す!」とファイティングポーズを取りながら各政党がレフトスタンドでの合流に邁進しているのは、いつも指摘しているように

「本気で政権交代を目指す気などなく、そこそこ議席が取れれば良い『ビジネス野党』だから

に他なりません。

人もお金も合体して選挙区調整をすれば、現行の議席数くらいは維持できるかもしれませんし、議員という身分にしがみつきたい方々にとっては安泰でしょう。

一方で有権者から見れば、政党が理念なき野合をすることで「自民党も、左派政党も嫌だ。選択肢がもっと欲しい」という切実な声が押しつぶされることになります。

こうした野合・選挙協力の理由として使われるのが、二大政党に集約していくとされる「小選挙区」制度です。

「選挙のルールが変わり、自公は一体化した。野党だけ新ルールに適用していないのはおかしい!」

という理屈ですが、とはいえ日本は完全な小選挙区制度ではなく、比例代表制度が併用されています。

なので、このルールを駆使して小政党が徐々に勢力を拡大してキャスティングボードを握るという選択も十分にありえます。

「民主党政権の悪夢」を忘れていない日本の有権者は、拙速な政権交代を望んでいないことは各種調査からも明らかで、むしろこちらの道を進むほうが「王道」であり「近道」ではないでしょうか。

それをよく理解していると思われるのがれいわ新選組・山本太郎氏で、今のところこうした野党の合流話と一線を画しているように見えます。

12月に入ってからも連日街頭演説を展開する山本氏(れいわ新選組YouTubeより:編集部)

「山本太郎は自分たちのことしか考えていない。本気で政治を変えるつもりなら、野党共闘の邪魔をするべきではない!」

という声もありますが、むしろ真剣に政権交代・政治改革を目指すなら「ビジネス野党」に与するべきではなく、時間をかけても自前で勢力を拡大していくのだという山本太郎氏のほうがよっぽど『本気』ではないかと私は思います。

まあ、交渉材料に強気の擁立姿勢を見せているだけで、最後は協力しちゃうのかもしれませんが…

そうした瞬間に、各種世論調査を見ても上昇傾向にあるれいわ新選組への期待は、急速にしぼむことになるのではないでしょうか。

ちなみに国民民主党・玉木代表もおそらく、こうした事情についてはよくわかっており、だからこそ合流に慎重姿勢を見せながら独立独歩路線で国会論議に望んでいたのだと思います。

しかし残念なことに、それで支持率が急激に上がることはなく、支持率1%未満の代表は求心力を失い、解散総選挙が迫ってあえなく「時間切れ」となりました。

歯を食いしばってここを乗り切れば、また永田町に違った景色が広がると思うのですが…選挙が迫った政治家・政党の力学というのは難解なものです。

もっと言えば、枝野さんも最初は「永田町の数合わせには与しない」と言ってたので、わかってたんだと思います。

どこでダークサイドに落ちたんでしょう。やはり参院選で勝てなかったからかな…?

いずれにしても、もちろん維新が貫くのは「独自ルート」。その点で、私個人としては山本太郎氏の姿勢には敬意を払うとともに、またその勢いには脅威を感じています。

特に国会閉会中は、もっともっと外に出て維新をアピールしていなかければなりませんので、同僚議員とそのための方策を思案中です。

地に足をつけて、しっかりと活動をして参ります。

それでは、また明日。


編集部より:この記事は、参議院議員、音喜多駿氏(東京選挙区、日本維新の会、地域政党あたらしい党代表)のブログ2019年12月16日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。