経済活動を再開しつつある州の共通点は、やっぱり...

カバー写真:Becker1999/Flickr

トランプ政権が経済活動の再開へ舵を切るなか、追随する州はどんな州でしょうか。

まずはこちらをご覧下さい。ご覧の通り、外出禁止関連措置を講じていないのは6中西部を始め人口が少ないグレー枠と赤字で示された6州で、全て共和党知事を擁していました。その6州とはアイオワ州(IA)、ノースダコタ州(ND)、サウスダコタ州(SD)、ワイオミング州(WY)、ネブラスカ州(NE)、アーカンソー州(AR)です。

作成:My Big Apple NY

再開に着手した州はこちら。赤枠は共和党知事州、青枠は民主党知事州、赤文字は18日にトランプ大統領が言及した州、黒文字は自主的に発表した州となります。チャートを見て頂くと、4月19日時点で9州を数え、そのうち7州が共和党の州知事を抱えます。このうち、知事が改選を迎える州はバーモントとモンタナの2州です。

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10万人当たりの感染者数のチャートと、経済活動再開に着手した州を掛け合わせたマップがこちら。グレー枠が10万人当たりの感染者数が49人以下、黄色枠が50~99人、緑枠が100~499人、オレンジ枠が500~999人、紫が1,000人以上を指します。赤文字と青文字はそれぞれ再開に取り掛かった共和党州知事の州、青文字は民主党知事の州を示します。

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青文字のモンタナ州(MT)とミネソタ州(MN)は経済活動の再開に着手した民主党知事の2州ですが、グレー枠である通り10万人当たりの感染者数が49人以下と非常に低いことが分かります。逆に赤文字の共和党知事の州は、民主党知事の州と比較し前傾姿勢。テキサス州やオハイオ州、アイダホ州、ノースダコタ州、サウスカロライナ州は50人以上99人未満でしたが、バーモント州やフロリダ州は100人以上のところ、再開への扉を開けました。

こうしてみると、やはり11月3日の選挙を控え一刻も早く景気回復を実現させたいトランプ大統領率いる共和党と、経済回復より感染抑制を重視する民主党の違いがくっきり浮かび上がりますよね。

ここで気になるのがやっぱり、NY州とカリフォルニア州の動向です。両州を含む民主党知事連合10州の経済規模は、米国GDP全体の約4割に相当します。経済活動の再開、そして本格的な景気回復は、この2つを始めとした民主党知事の州に掛かっているといっても過言ではありません。

実際、北東部7州は足並みをそろえ外出禁止措置を5月15日まで延長すると決定しました。全米で最大の経済を誇るカリフォルニア州は外出禁止措置の期限を設けていません。ワクチンや治療薬の開発や検査キット、抗体検査など不確実性が残る中で、一連の州は早々の外出禁止措置緩和を回避する公算。NY州に至っては民主党予備選を6月23日に後ろ倒しし郵便での投票も可能にしたので、目下の障害はクリアされています。


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2020年4月20日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。