こんにちは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。
昨日、総理記者会見にて正式に5月31日までの緊急事態宣言延長が発表されました。
「速やかに追加経済対策」 首相、緊急事態延長で会見:日本経済新聞
安倍総理記者会見。持続化給付金の支給が「8月」と発言しびっくりしたが、これはどうやら8日の間違いらしい…。しかし明確な追加施策はなく、ほぼすべて与党で「検討中」、後半はほぼ精神論。無理だ。乗り切れるわけがない。私たちもすぐに政策提言に向けて行動します。
— 音喜多 駿(参議院議員 / 東京都選出) (@otokita) May 4, 2020
率直に言って、今回の記者会見内容には大変失望するとともに、強い危機感を覚えています。
地域によってはまだ医療資源が逼迫されているケースもありますから、緊急事態宣言の延長自体はやむを得ない面もあったと思います(全国一律には疑問ですが)。
しかしながら、よしんば緊急事態宣言を延長するのであれば、十分な補償と出口戦略が必要不可欠だったはずです。
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そもそも人々の善意と自制心に頼った行動制限は、時間とともにその効力が逓減していく可能性は極めて高いと考えられます。
にもかかわらず、「1ヶ月でダメなら、2ヶ月でどうだ!」とばかりに追加支援もなしに単なる延長に突入するのはロジックが意味不明です。
実際に、安倍総理が記者会見で述べたことはほぼ従来の支援策の繰り返しと精神論。家賃補助などについて触れた部分もありましたが、
「与党での検討を踏まえて講じる」
と述べるに留まり、これには非常に多くの人ががっかりされたはずです。総理はこれまでも
「早急に」「速やかに」「躊躇なく」
などの言葉を度々用いてきたにもかかわらず、結果としてスピードも量も著しく不十分であったことから、もう安倍総理の言葉だけで自粛を継続しようという意欲を保つことは困難ではないでしょうか。
最低でも、当初の想定から緊急事態宣言が約2倍に延長されるのであれば、持続化給付金2倍、現金一律給付2倍くらいは同時に発表し、二次補正の編成を宣言すべきだったはずです。
そして結論を「先延ばし」にし、5月14日時点で解除を検討するという発言をしたものの、その判断基準・出口戦略が何なのかは明確に示されないままとなっています。
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人間である以上、暗闇のトンネルを走り続けることはできません。
いまの政府方針のままで緊急事態宣言を延長するのなら。特に現役世代にとっては、経済活動を再開することが合理的解答になるが、それを安倍総理と政府は本当にわかっているのだろうか…?
— 音喜多 駿(参議院議員 / 東京都選出) (@otokita) May 4, 2020
実際、記者会見が終わった直後からたくさんの連絡をいただき、どなたも「これでは自粛継続は不可能、うちは7日から営業を再開する」との内容でした。
・相変わらず十分な補償はなし、自粛はあくまで要請
・営業を再開すれば、ある程度の売上が見込める(明らかな自粛疲れ)
・コロナウイルスに感染しても、「若年層は」重篤化しづらい
こうした状況下では、特に現役世代にとっては経済活動を再開することが合理的な最適解となります。
それで感染が拡大して犠牲者が増えてしまったら、自粛しなかった人の「自己責任」。経済活動をしながら拡大が収まってくれれば「結果オーライ」。
政府からすれば都合の良い態度なのかもしれませんが、それによって失われる命や産業の活気は戻ってきません。
また、仮になし崩し的に経済活動が再開し始めると、学校や保育所などの基幹インフラは動いていませんから、働ける人と働けない人で格差が生じます。
営業を再開した店ばかりに客が集まり、自粛を継続した店が既存顧客を取られたりすれば、その影響と禍根は中長期に渡って深刻なものになるでしょう。
これらは下手したら取り返しがつかない社会の分断を招く可能性があり、私の非常に強く危惧するところです。
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東京都が今日にでも独自に相当大型の支援策を打ち出さない限り、とりわけ東京都内においては緊急事態宣言の効果は急速に減少していく恐れがあります。
先ほどの報道ステーションでも吉村府知事が主張していたように、徹底したデータの公開と、「目に見える数値での出口戦略」が経済と命を守るためにこそ必要不可欠です。
5月14日までただ専門家見解を待っていたら、ますます傷口が広がるばかり。「大阪モデル」を参考にしながら、私たちも精緻化した出口戦略を考案し、政府に強く提言して参ります。
それでは、また明日。
編集部より:この記事は、参議院議員、音喜多駿氏(東京選挙区、日本維新の会)のブログ2020年5月4日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。