NY州も追随、全米で経済活動再開の動き加速

4月16日にトランプ大統領が経済活動正常化の指針を発表してから、約1ヵ月。遂にNY州も、外出禁止措置「PAUSE」が失効する5月15日から北部での外出禁止措置を緩和する可能性を点灯させました。

(カバー写真:The National Guard/Flickr)

5月11日、クオモ州知事は「新たな幕開け」と発言NY州を10地域に分け、そのうち3地域が州で規定する経済活動再開の基準を満たしたと述べています。

経済再開の基準は以下の7件で、それぞれの地域で満たす必要があります。

1.14日間にわたる新型コロナウイルス感染に伴う新規入院患者の減少、あるいは3日平均でで新規入院患者数が15人以下

2.14日間にわたる死者数の減少、あるいは3日平均で3人以下

3.新規入院患者数が3日平均で10万人当たり2人以下

4.利用可能な病床数が全体の30%以上

5.集中治療室(ICU)での利用可能な病床数が全体の30%以上

6.月毎に1,000人当たり30人以上の住人に対し検査を実施

7.新規感染者が接触した場所や人数などを特定する追跡調査員を10万人当たり30人確保、感染状況に従って引き上げ

7つの基準をクリアした3地域では、社会的距離維持の取り組みの下、ガーデニングやドライブ・イン・シアター利用、テニスなど野外活動が可能となるそうです。

ただし、マンハッタンを始めとしたNY市とロングアイランドは、7基準のうちそれぞれ3つ、4つしか該当せず。デブラシオNY市長が同日に市内の外出禁止措置をめぐり6月以降明言したように、PAUSEが期限切れても、ロックダウンを余儀なくされる見通しです。

NY州で漸く外出禁止措置緩和に動き始めた一方で、既に多くの州で経済活動を一部再開、あるいは1週間以内の再開を予定する状況です。その数は35州+ワシントンD.C.に及び、経済規模は51%に相当します。NY州は全米で8%を占めますから、再開されれば合わせると59%です。

チャート:経済再開マップ

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(作成:My Big Apple NY)

チャート:経済再開の段階、対象は州別でまちまち。野外娯楽場施設に射撃場、美容にタトゥー・パーラーに含まれている点がアメリカン。

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(作成:My Big Apple NY)

NY州が経済活動の再開に着手するなか、再開に向け連携する民主党知事州10州のうちニュージャージー州コネチカット州など近隣州も外出禁止措置緩和に動き始めました。米国経済全体の夜明けも、近いようにみえます。

ただ、人口密度が高いNY市内(1万950人/㎢、東京都23区は1.5万/㎢)では経済活動再開に慎重とならざるを得ません。ドン・ヘンリーの名曲「New York Minutes」は、ポスト・コロナでは通用しなさそうです。経済活動を段階的に再開させた中国や韓国では第2波の様相がみられるだけに、米国も他人事ではありませんし・・・。


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2020年5月12日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。