永江式 非常事態宣言の具体的出口戦術プランを上奏してみました

永江 一石

わたしが主催しています「21世紀を生き残るための「永江 虎の穴塾」では、5月からの塾生を募集しています。コロナ禍の間、希望者は毎月30分。わたしと1:1でzoomでブレストができます。

昨日はメルマガとnoteの日。noteは単体だと110円ですが年間のマガジンだと4054円なのでかなりお得になります。マガジンがオススメです。w

1 公立学校再開までの道筋はどうなる?
2 アウトライナーを使用するデメリットはあるか
3 コロナ禍のマスコミの報道姿勢について
4 今後Web制作業で需要が伸びそうな業界は?
5 日本にアーリーアダプターはどのくらいいるか
6 「補助金を使い倒す会社」をどう思うか

です。まぐまぐ!または、スマホで読む方はnoteでお買い上げいただけます。関係ないですがついでにInstagramもフォローしていただけると喜びます。

毎日「もうコロナは終わった。過剰な自粛は経済を破壊するだけ」と言い続けています。コロナは基本的に日本での致死率は0.01%程度で最大でも1000人程度の持病持つ高齢者中心の死者がでる疾病だと考えています。死者数ではインフルエンザよりずっと少ないが、ICUを長期占有する重症者が出ると他の人が影響を受ける。そのため医療崩壊は避けなくてはならないという前提で、以下の提案をします。戦略ではなくて戦術です。

ちなみに現在のベッドはこんな感じでかなり余裕です。

東京都だけ重症がたったの56人しかいないのに、軽・中症状を1357人も入院させている。

持病を持った人やリスクの高い人は軽症でも入院させるべきとは思うが、いくらなんでも占有させすぎだと思います。

かなり長くなるので前置きはこれくらいにするが、基本的なわたしの立ち位置だけ説明しておきます。

日本で顕著なのが中国からの観光客が人口あたりでもっとも多い2県の実効再生産数が2月〜3月上旬に鈍化していること。つまり感染は武漢からのウイルスが浸透するのが早かった地域から終息に向かった。その後3月には帰国組が持ち込んだ欧州からのウイルスと夜の町クラスターで第2波の波があった(これは専門家会議の説明)。

その後、全国では3/25あたりから実効再生産数が鈍って終息に向かい始めた(非常事態宣言のかなり前)。

自粛要請では、実際にクラスターが発生した夜の町を完全に閉めることができず、全く発生していないところを閉鎖するなど非科学的な対応

なのに、連休終わって1週間で信じられないほど急速に終息に向かっている
強力なロックダウンした他国でも減少に向かうのは1ヶ月以上かかるのに緊急事態宣言の後すぐに激減。

【推測】東アジアにはもともと新型コロナに耐性をもつ人が多く、それ以外の感染が終わってきて感染が止まったとしか考えられない。

詳しくはこちらに書いています。

日本(アジア)の新型コロナ感染者、重症者、死者が欧米よりはるかに少ない理由はHLAと仮定するとドンピシャにはまる

ただし、いきなり全開放してしまうといままで閉じこもっていたリスクの高い既存症ありの高齢者が出てきて感染して死に至ると言うことがありえる。高齢者施設や入院病棟も同様。岩手など、都会から離れたところではまだまだ浸透しておらず、小さな山が来る事も十分ありえる。そのためには

科学的なファクトに基づいた出口戦術が必要

と考えるわけです。いままでのはこれがなさ過ぎ。

1 エビデンスを整理してリスクの高い順に評価

一番大事なのは

エビデンスに基づいた規制

ということだ。西浦教授が「人との交流を8割削減」というあまりにも抽象的な目標設定をしてしまったため、なにがなんでもということで公園やビーチまで封鎖してしまった。逆にGW中でも第2波の原因となったと専門家会議が指摘している歌舞伎町や渋谷のキャバクラやホストクラブは営業を続けるなど、まったく意味のない世界でも類を見ない、経済を破壊するだけのガバガバの規制だったとも言える。

エビデンスに則ってリスクの分類を行う。具体的にはどうするか

クラスター追跡班のデータを使用します

専門家会議では「夜の町以外はかなり大規模なクラスターもほぼ追跡できた」と言っております。4/20から濃密接触の定義が「1mの距離でマスクをしないで15分以上会話した」ということに変更されており、これはすなわち「それ以外の環境では感染はほとんどなかった」ということだろう。もちろん大声を出し合ったりするクラブやカラオケは会話してなくてもこれにはいるのはわかるだろう。

報道されている範囲ではクラスターが発生したのは

スナック
クラブ
ライブハウス
飲食を伴う室内の会合
キャバクラなどの接待付き夜の町
合唱団
ジム・・・ただし発熱した80代のお婆さんがマットレスでという特殊なケース
家庭内
院内・高齢者施設
みたいなのが多かった。飲食を伴うものがとても多い
ほかに保育園というのもあった(保育士11人だけど園児はたった2人)が、保育士が懇親会か食事会で感染したのか保育園なのかわからない。

3/31の発表でこれだから今はもっとノウハウがたまっているはず。

逆にパチンコはリスクは高いと思うが吉村知事は記者の質問に「パチンコ屋での感染の事実はない」と回答していたし、飛行機も電車も買い物も、ましてや公園やビーチ、花見、図書館、美術館での感染は皆無のはずだ。もしあればクラスター追跡班が調べて線と線が交わったとして公表したはずだし、ワイドショーが一斉に飛びついたろう。
普通に優先順位を考えて

発生頻度が高かったものは自粛または強制閉鎖

という手法が正しいわけで、1回もクラスターの発生していない分野は開放する。これがファクトに基づく施策でしょう。なにがなんでも8割ではなく、ファクトに基づいて危険度の高いものを100%閉鎖する。飲食は大人数の個室はダメだがオープンなものは良しとするように細かくマニュアル化する。

危険度が高いものだけで良ければきっちり補償をしても総額は安く済む。リスクだけ考えればパチンコ屋より夜の町です。ちなみに自分もパチ屋は大嫌いで閉めた貰った方が良いが、好き嫌いではなくてファクトで判断したい。なにはともあれ、クラスター追跡班から蓄積したデータを国民に共有して貰いたい。それだけでみんなそこには行かないから自動で自粛です。

実は言うことを聞かない夜の町のため、音喜多君が風営法の改正案を練っています。感染が拡大した時には公安委員会から風営法に則って通達を出す。冬の第3波に間に合わせないといけない。

すぐに各都道府県はCRMを導入せよ

いまやほとんどの企業では、よほどいけてない会社を除いてCRMツールを使っている。カスタマー・マネジメント・システムだ。

東京都の保健所がFAXでやりとりしていて数え間違いだの、院内感染と家庭感染と街中感染の判別ができなくて集計まで間違えたという報道があったが、もしかして「正」の字を数えていたんじゃないだろうな、と思う。

セールスフォース・ドットコム、 千葉県船橋市の保健所向けに、業務支援クラウドパッケージを無償提供

大阪府と連携し新型コロナウイルス対応状況管理システムを作成、全国自治体へのテンプレート提供を開始

と、分かっている自治体はすでに取り入れています。吉村さんがあれほど詳細なデータを持っているのも…

いつまでも紙でやっていると、リアルタイムのデータが取れない。分析にも時間がかかる。特に感染速度の非常に早い新型コロナは素早い対応が不可欠なのに、1週間に一度の集計とか、一昨日の集計がやっとでた、みたいなのはシャレになりません。

クラウドのCRMなら各首長はスマホから一刻一刻と変わっていく自分の自治体の患者数やクラスター発生箇所、実効再生産数などをリアルタイムで見ることができ、素早い判断を下せる。今回のコロナでみんな分かったと思うが、

紙の報告書でしか判断できない首長は潔く去れ

と、言わざるを得ない。特に感染症対策ではスピード感がない人はまるでだめ。そしてなにより数字に弱い人は全くダメダメです。



編集部より:この記事は永江一石氏のブログ「More Access,More Fun!」2020年5月13日の記事より転載させていただきました。