コロナ禍での補選、共和党候補勝利は経済活動再開への支持表明か

コロナ禍において、カリフォルニア州とウィスコンシン州で12日に下院補欠選挙が行われました。経済活動の再開を推進するトランプ大統領の政策を評価する試金石ともいえる選挙で、既報の通り、2州とも共和党候補が勝利しています。

〇カリフォルニア州
マイク・ガルシア(共) 56.0%
クリスティ・スミス(民)44.0%

〇ウィスコンシン州
トム・ティファニー(共)57.2%
トリシア・ザンカー(民) 47.8%

事前の予想通りとはいえ、トランプ大統領にとって素晴らしいニュースが届けられたと言えます。

https://twitter.com/realDonaldTrump/status/1260735788133814272?s=20

今回の補選のポイントは、以下の5つ。

1.カリフォルニア州での投票は、主に郵便投票で実施。コロナ禍で、バイデン候補やミシェル夫人など郵便投票への移行を主張する民主党側に有利と思われたが、必ずしもそうではないことを実証

2.カリフォルニア州の下院議員53人のうち45人が民主党所属、補選が行われた第25選挙区の登録民主党員は共和党の約3万人を上回っていたが、22年ぶりに共和党候補が議席を奪取。

3.カリフォルニア州は外出禁止措置を継続し、ニューサム知事の方針もクオモ州知事ほどではないにしてもトランプ氏の経済活動再開方針と一線を画していた。それでも、経済活動再開推進派であるトランプ氏推薦のマイク・ガルシア氏が勝利。対する民主党候補のクリスティ・スミス氏はオバマ前大統領やヒスパニック団体の支持を獲得していたものの、敗北。

4.ウィスコンシン州は民主党知事エバーズ氏の延期命令を州最高裁が棄却したため民主党予備選が4月7日に行われ、その後に少なくとも20人近い新規感染者を出していた。それでも、共和党候補が勝利し「経済再開支持派の勝利」との見方も。

5.ただし、補選が行われた同州第7選挙区での2016年大統領選結果を照らし合わせると、トランプ氏支持が優勢(ウィスコンシン州全体ではトランプ候補が1%以下の得票差で辛勝)。

――2州の補選で判断するのは早計ですが、少なくともカリフォルニア州での結果は、2020年の米大統領選を見極める上でヒントを与えてくれそうです。経済活動再開後に第2波が米国を直撃しなければ、の話ですけどね。

筆者としては、カリフォルニア州の郵便投票で共和党候補が勝利した点に注目しています。その郵便投票、州別にどのような仕組みなのか、また次回お伝えしますね。


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2020年5月14日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。