下記は米国の東海岸と西海岸のコロナ感染者に占める死亡者数を示したものである。
欧州型のウイルスの割合が多い東海岸での死亡率が、欧州型の割合が比較的に低い西海岸の死亡率より2倍弱高い。中部のイリノイ州やテキサス州は高くないが、ニューオリンズのあるルイジアナ州では死亡率が高い。これは2月末にお祭りがあり、ヨーロッパからもたくさん訪問客があった影響かもしれない。
ウイルスの違いか、集団の遺伝的背景の違いか分からないが、その解明は重要だ。日本は死亡者数は少ないが、死亡率は決して低くはない。感染陽性者に占める重症者の割合が多いためだと思っている。
そして、際立っているのがユタ州の死亡率の低さだ。人口密度が低いので感染者数の少なさはそれで説明できるだろう。5年間住んでいた経験でも、人と人の接触する機会は少なかった。しかし、死亡率の低さはそれだけでは説明できない。
州住民の多くを占めるモルモン教徒は飲酒もしないし、タバコも吸わない。基礎疾患が違うからだろうか?それとも、ユタ大学で行っているイベルメクチン投与の効果だろうか?早く結果を知りたい。
編集部より:この記事は、医学者、中村祐輔氏のブログ「中村祐輔のこれでいいのか日本の医療」2020年5月28日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。