こども宅食議連が設立されました!!

8月27日、「こども宅食推進議員連盟」の設立総会が開催されました!

議連の立ち上げに尽力してくださった稲田朋美議員、木村弥生議員、長島昭久議員を始めとする議連役員が登壇し、会長の稲田議員が「こども宅食を恒久的な制度にしていきたい」と決意を述べました。

会場には国会議員約40名とメディア20社が集まる中、全国に先駆けて「こども宅食」を実施した文京区の成澤廣修区長とこども宅食応援団(フローレンス等)の代表理事を務める僕が講演し、その後、質疑応答が行われました。

「こども宅食」は、子どものいる生活困窮世帯に対し、食品などを配送するとともに、継続的な見守りを行い、リスクを見つけた場合には、必要な支援につなげていく取組みです。

こども宅食応援団は、2017年に文京区でふるさと納税を活用して「こども宅食」を開始しましたが、その後宮崎県、長崎県、京都府、新潟県などでもこども宅食団体が立ち上がり、応援団はその立ち上げ支援やノウハウ提供などを行ってきました。

今年に入り、コロナによる休校や外出自粛などの影響で、家に引きこもりがちになる親子が増えた結果、子どもの見守り機会が減少して、児童虐待リスクが高まっています。

これは国としてもどうにかせねば!ということで、以前の記事に書いたとおり、今年度の第二次補正予算に「こども宅食」(事業名は「支援対象児童等見守り強化事業」(31億円))が初めて入りました。この事業では、こども宅食などの民間団体が、地域で孤立してしまっている家庭などを訪問し、食事の支援などを通じた子どもの見守り体制を強化するための経費を支援することとされています。

しかし!!自治体では「来年度以降も予算が継続的につかなければ導入できない」、「対象世帯の範囲を判断しかねる」、「行政と民間団体との個人情報の共有方法がわからない」といった声があり、なかなか導入が進んでいない状況なんです。

そこで、今般、多くの自治体でこの事業が導入され、「こども宅食」を恒久的な制度とすることを目指して、議連が立ち上がり、来年度以降の予算確保に向けて動きつつ、個人情報の共有などの課題について検討を行うことになりました。

僕らが力を入れてきた「こども宅食」の議連ができたことは本当に嬉しい!!

「こども宅食」の重要性を認識し、議連を立ち上げてくれた議員の皆さん、本当にありがとうございます!

みんなで「こども宅食」を全国に広げましょう!

保育園や学校はほぼ通常どおりになって、なんとなく子どもたちにも日常が戻ってきたように感じるかもしれませんが、集まりにくい状態は依然として続いていて、家にこもる時間も長く、虐待やDVのリスクが高まっています。

困っているのに「助けて」が言えず地域で孤立している家庭の子どもたちがとても心配です。

設立総会で、文京区長は「見えない貧困を見えないまま支援する」ことの重要性をお話しされていました。スラム街のようにみんなが貧しいところでは「お金がない、助けて」と言いやすいかもしれないけど、そうじゃない場所では、貧困であることを周囲に知られたくなくて助けを求めにくいということ。

だから、文京区では、周りから支援を受けていることがわからないように、普通の配送員の格好をしているけど、見守りの知見がある配送員が食品を届けつつ、利用者とお話しをして状況を確認しています。

こども宅食応援団が今年5月にこども宅食利用世帯を対象に行った「新型コロナウイルスの影響に関するアンケート」では、回答者の約8割が「生活が苦しくなった」と回答、84.3%が支出増など、家庭への深刻な影響がある一方、ほとんどの家庭が行政・地域の支援メニューを利用できていないという衝撃の実態が明らかになりました以前の記事参照)。

「助けて」が言えない家庭に対しては、やはりこちらから出張っていく「こども宅食」のような出前型福祉(アウトリーチ)を行って、必要なら行政などの支援につなげていくことが大事です。

「こども宅食」を全国に広げ、恒常的な制度にするためには、僕ら民間団体だけでは到底無理で、国会議員、関係省庁、自治体、地方議員、社会福祉協議会、報道関係者など多くの方々のご協力が必要です。

つらい思いをしている親子が1人でも多く笑顔になるように、僕らも頑張りますので、みなさん、ご協力よろしくお願いしますっ!

こども宅食応援団を寄付で応援する

議連が立ち上がり、「こども宅食」の制度化に向けて動き出していますが、国の「支援対象児童等見守り強化事業」には、こども宅食応援団が行っているような、各地のこども宅食団体の立ち上げ支援やノウハウ提供などに要する費用は含まれていません。

来年度予算に当事業が入るよう、そして、ノウハウ提供などの支援に必要な経費も補助してもらえるように動いていますが、今後、どこまで国が補助してくれるか見えていません。

ですので、みなさまからの温かい寄付が必要です。「こども宅食」を全国に広める動きに賛同いただける方、是非、寄付で応援よろしくお願いいたします!

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編集部より:この記事は、認定NPO法人フローレンス代表理事、駒崎弘樹氏のブログ 2020年9月4日の投稿を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は駒崎弘樹BLOGをご覧ください。