眞子様の結婚の意思を尊重するのが賢明

2020年11月24日 06:00

秋篠宮家の眞子様が小室圭さんとの結婚の意思を改めて表明しました。週刊紙などが様々な情報を流し、お二人は「この結婚について、否定的に考えている方がいることも承知しています」とまでおっしゃいました。

令和元年秋篠宮皇嗣殿下お誕生日に際してのお写真(宮内庁サイトより)

秋篠宮も「二人の意思を尊重する。仕方がない」と思っていると、伝えられます。想像するに本音でしょう。妹君の佳子さまは「姉の個人としての希望がかなえられる形になってほしい」と述べています。

願い通りに結婚にこぎつけたら、あれこれ言う識者も多く、情報源が不確かな記事を週刊誌が乱発する日本ではなく、米国の弁護士資格を得ると思われる小室さんと米国で暮らすような気がします。英国でも、ヘンリー王子がメーガン妃と、米国に移住しました。

この問題を考える視点は、まず「憲法で定める基本的人権の一つである結婚の自由の尊重」「スキャンダルめいた情報の数々にめげず、結婚に至ろうとしている意思の固さ」でしょう。

もし悲恋に終わるようなことになれば、基本的人権の軽視や、皇室をめぐる空気の息苦しさなど、国際的な非難が日本に向けられるでしょう。日本を見るイメージの悪化をもたらすことを懸念します。

お二人の結婚に懐疑的な論調を拝察していますと、国内問題、皇室問題という狭い枠の中で、論じているように思います。日本に対する国際的なイメージに与える影響を考慮する必要があります。

眞子様は英エディンバラ大学留学しました。小室さんは現在、米フォーダム大のロースクールで弁護士の資格をとるために留学しています。日本の青年としては、国際人として進んでいるのでしょう。

お二人が息苦しい空気、神経に触る雑音を乗り越え、経済的な問題とも折り合いをつけ、結婚に進まれたら、「日本も変わった」というイメージを国際的にもたらすような気がします。

小室家をめぐる金銭トラブルなどの情報に接していて、私も「これはまずいなあ。婚約内定時の記者会見(17年9月)のさわやかさを吹き飛ばすような暗い影が隠れている」と、思いました。

秋篠宮ご夫妻が認め、当時の天皇も「裁可」した婚約内定ですから、皇室側から内定破棄を持ち出すのは難しい。小室家側には、複雑な内情を皇室側に伝えていない非があり、「小室氏から辞退を申し出るが好ましいし、そうなるだろう」と、推測しました。外れました。

同時に、小室氏側の400万円の借金、親族の自殺、結婚後の生活設計などを宮内庁、皇室側がなぜ、事前に調べなかったのだろうと、思いました。小室氏に厳しい批判を浴びせても、宮内庁側の身辺調査の不備に識者も触れたがらない。これはおかしいと思いました。

もうそれは過去の話です。皇室典範10条では「皇族男子の婚姻は皇室会議の議を経る」、12条では「皇族女子が天皇、皇族以外の以外のものと婚姻した時は、皇族の身分を離れる」とあります。皇族女子に対する規定は緩やかになっています。

皇族男子の結婚では、詳しく事前調査をする。一方、皇族女子は皇族から離脱するのだから、事前調査は厳格にはしないということでしょうか。さらにお二人は有名大学の同級生でしたから、安心してしまったのか。

小室氏が米国の弁護士資格をとり、米国で働けるのなら「米国で暮らそう」となるのでしょうか。結婚後は「一般の国民」ですから、それでもいいのでしょう。「生活設計は大丈夫か」の懸念は、お二人が決意したことだから、お二人が「大丈夫にしていく」しかありません。

皇族離脱の際に支給される1億4千万円の使い道を心配する声も聞かれます。元皇族の体面を保つための支給で、使途制限はありませんから、小室氏側の借金の返済に使われようと、公表するにおよばない。

小室氏はフォーダム大の入学をめぐり、皇室関係者という立場を利用して、破格の奨学金を得たとして、批判する声もあります。利用したかったのは大学側のほうで、先方の申し出を受けたと、私なら考えます。

お二人の結婚に懐疑的な論調には、同意しかねる指摘がまだあります。「皇族には戸籍がないから、憲法のいう基本的人権には制約がある」とし、だから結婚の自由も制約を受けるという意見でしたか。

憲法で保障している基本的の人権のうち、表現の自由、職業選択の自由、参政権などは皇族であるうちは制約を受けます。「象徴天皇制をとっているので、天皇の権限を抑制することで、国民の人権を守るという構えになっている」そうです。

結婚の自由についても、男子は皇室会議の裁可を経るなど、制限を受けるにせよ、眞子さまのような女子については、制限はないのでしょう。眞子さまの結婚に対する意思の固さは、「国民の理解が得られるよう」(秋篠宮)という願いと両立すると、思います。

眞子さまの結婚問題で対応を誤ったり、窮屈な論評をしたりすると、将来、皇室に入ろうかという人も減ってしまい、皇室そのものの存続に影を投げかけないか懸念します。女性宮家の創設も早く決めないと、公務を果たせる皇族がどんどん減ってしまいます。


編集部より:このブログは「新聞記者OBが書くニュース物語 中村仁のブログ」2020年11月23日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、中村氏のブログをご覧ください。

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ジャーナリスト、元読売新聞記者

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