わたしが主催しています「21世紀を生き残るための「永江 虎の穴塾」では塾生を募集しています。コロナ禍の間、希望者は毎月30分。わたしと1:1でzoomでブレストができます。ひとりずつ丁寧にやってますよ。本日夜19時はわたしのセミナーです。
テレビを見ていると
医療崩壊しそうだから経済を締めよう
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経済締めると日本は欧米と違って自殺者が大量に出るしすでに出てる。
※試算するとコロナの死者数を遙かに上回る。バブル崩壊時は延べで10万人増加。行方不明はその3倍。コロナで日本でそんなに死ぬわけないでしょ。欧米は自殺しないが日本で2ヶ月もロックダウンしたらみんな自殺の山です。韓国もいま自殺が増加して大問題。
女性の自殺が増えているのはこれが相関関係
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経済を締める以外に医療崩壊させない手はないの?
素人の私だっていろいろ考えるのに専門家から何一つ出ないのはなぜだろう? いつも本当に不思議
先日もこのブログ「日本は本当に医療崩壊するのか。するとしたらその理由はどこにあるのか」を挙げたところ
○自治体同士で融通はできないのか
○ドイツやスウェーデンのように臨機応変に病床を増やせないのか
というのが趣旨でしたが、Twitterにて医療従事者から猛攻撃。※賛同ももちろんありましたが
●現場を知らない戯言
●隣県に依頼する時点で医療崩壊 → 誰も死ななければ崩壊してないのでは?
●いつもギリギリで回していて最初から医療破綻しかなかった
●とにかく経済を殺しても感染を止めてくれ
●バカ、アホ、マヌケ
まで千差万別です。共通して言えることは
ひとりとして経済破壊以外の代案を出さない
ってこと。経済が崩壊するとコロナとは比較にならない死者が出るけど、それはいいのかというと「それはまた別問題」とかおっしゃる。勝手に棚上げしないで欲しい。トータルでどれくらいの人の命を救うのかが命題でしょ。仮に経済を回すことと感染拡大防止が両立しないのであれば、どちらが被害が大きいかを国として試算して、被害が小さくなる方を選択することになります。どう考えてもコロナの死者は日本では10万人も出ない。
さらに自粛や緊急事態宣言、ロックダウンについては、農業国はロックダウンしても食っていけるし農作業もできる。工業国は輸出できる。しかし日本のメイン産業はサービス業でしかも内需がほとんど。自粛ということは日本では基幹産業を殺すと言うことなのです。死者に直結します。
こうした考え方は会社でも同じで「このブロジェクトはダメです」「こんなことできません」は無能なヤツでも言えるが、「難しいですがこうすれば可能です」と言えるものが評価される。医者も外科とかは「××術式は難しいからこの方法でいこう」とか戦術レベルでは毎日やっていると思いますが、日々が忙しく、「どうすれば医療崩壊しないで乗り越えられるか」みたいな戦略的なことは考えたり議論したりするチャンスが全くないのではないかと思う。
普通のサラリーマンでも「うちの会社はこうすべきだ」とデータを元に語れるのは経営企画室くらいにしかいないから当たり前と言えば当たり前かな・・。それならそうで、「医者でもないヤツが口を出すな」はないと思いますよ。少なくとも戦略立案は医学と関係ないもん。
いますぐにでもできる医療崩壊の回避方法を考えた
で、わたしも戦略作成は仕事のネタですので、↑のブログ以外もいろいろ考えました。で、ふと、気づいたのです。
もともと新型コロナで他人に感染させる人は5人に1人しかおらず、そのほとんどは1人にしか感染させられない。たまにクラスターが出る。で、他人に感染させるのはいつからいつまでかというと、これがてんでバラバラ。みなさん「らしい」とか「いわれている」ばかりでエビデンスについて何も書かれていない。
たまたまテレビで専門家が「他人にうつすのは発症前3日と発症後5日」と言われていたので調べてみた。
COVID-19患者の退院の条件として、当初は「PCRが2回連続して陰性になる」というものがあった。現在は「発症から10日が経過する+症状が改善してから3日経過する」が条件になっている。このような変更はエビデンスが蓄積されたことによるものである。それについて、CDCが詳細に解説しているので紹介する
そうなんです。いまは退院時にPCR検査はしません。他人に感染させる恐れがないからですね。
複製能力のあるウイルスが検出される可能性も、発症後に低下する。軽症から中等症のCOVID-19患者の場合、発症してから10日すれば、複製能力のあるウイルスは検出されない。しかし、重症患者の一部では、発症後10~20日でも複製能力のあるウイルスが検出されることがある。ただし、このような患者であっても、発症してから10日および15日が経過すれば、それぞれ検体の88%および95%からウイルスは検出されない。
大規模な接触者の追跡調査によると、発症から6日以上経過した患者に曝露しても、家族や病院スタッフは感染しなかった。
発症から6日以上経過した患者に曝露しても、家族や病院スタッフは感染しなかった。
つまり、軽症から中等の患者でも発症から10日すると「生きた」ウイルスはでなくなる。重症でも10〜15日経過しているとほとんどウイルスはでなくなるわけです。大規模追跡調査では発症から6日経過すると誰にも感染させた例はない。ということです。
ではいったいコロナは発症から入院までどれくらいかかっているのでしょうか。
1万人の日本人の追跡データから参照してみます。
第1波では7.6日。つまり第1波で入院した大半の人は入院時には他人に感染させる能力はすでになくなっていた。中央値が7日で四分位数範囲が4日と10日ですから、発症から4日以内に入院した人が25%、7日までに入院した人が半数です。10日までの人が75%。
第2波では5.1日と早くなりました。致死率が下がった一因です。中央値が5日で7日経過した人が75%ですから、入院時に6日以上経過している人は30〜40%くらいですね。であれば
30〜40%の患者は最初から一般病棟でOK
ということになります。また、軽症や中等症レベルであれば、発症から7日経過したらどんどん退院させるか一般病棟にうつして行けば良いのです。重症で担ぎ込まれてきた人も、発症から6日を超えているのであれば、PCR検査をしてCt値が36くらいを超えていれば他人にうつせないと判断すれば良い
英オックスフォード大学の研究チームはPCR検査が死んだウイルスの残骸を検出している可能性があると報告。英国の別の研究では、値が25より小さい陽性者の85%以上は他人に感染力があるウイルスが培養できたが、35を超えると8.3%しか培養できなかったとの結果もある。
いまの日本のPCR検査はCt値が40〜45らしいので、実際には感染能力のない人まで陽性と出る。で、念のために無症状は2週間待機になるわけだが、これを利用する。つまり発症から7日経過した人をPCR検査してCt値36〜37くらいなら他人に感染させないとして一般病棟にするのである。
どうでしょうか、これ
馬鹿馬鹿しいと一笑にふして医療崩壊させるか、「なるほどちょっと調べてみよう」というのでは大きく異なると思うんですよ。
いまは医者であろうがなかろうが、必死に知恵を絞って1人でも多くの同胞の命を助けるのが責務ではないでしょうか。コロナの死者だけでなく、自殺者を増やさないために経済を殺さないというのが最優先事項と思います。
編集部より:この記事は永江一石氏のブログ「More Access,More Fun!」2020年11月30日の記事より転載させていただきました。