19日の時事通信に、ベルギーの閣外相が秘密のはずのコロナワクチンワクチンの購入価格をツイッターに公開してしまったとの記事があった。欧州連合(EU)欧州委員会が製薬企業と契約した価格は守秘義務があったのだが、うっかりと公開したようだ。
契約価格は、私が想像していたよりもはるかに安く、日本円に換算すると1回について約225-1860円であったとのことだ。しかし、会社間で最大約8倍の開きがある。ワクチンは1人2回接種となっているので、1億人分だと450-3720億円の違いとなる。
このツイッターは約30分後に削除されたとのことだが、一番安かったのは英国のアストラゼネカ社製で、一番高額だったのは米国モデルナ社製だった。すでに接種が始まっているファイザー社のワクチンは1回約1520円とのことだ。これらのワクチンが本当に有効で安全であれば、このコロナ騒動は落ち着く。そのコストが数千億円であれば、国としては安いものだろう。
しかし、懸念材料もある。NHKニュースでは、「アメリカで14日から接種が始まったワクチンについて、19日までに27万人以上が1回目の接種を受けたとしたうえで、18日までに接種を受けた人のうち6人が、激しいアレルギー反応である「アナフィラキシー」の症状を示したという報告を受けたことを明らかにしました。」とある。
アメリカ コロナワクチン接種後 6人に激しいアレルギー症状 | 新型コロナウイルス | NHKニュース
アナフィラキシーは処置が適切に行われないと命に関わる重篤なアレルギー症状である。18日までに接種を受けた人は、おそらく約20万人なので、10万人で3人という確率となる。少ないような印象だが、1億人が接種を受けると3000人がアナフィラキシーを起こす確率なので、決して無視できる数字ではない。ワクチンに含まれるポリエチレングリコールがアレルギーを起こしている可能性があるそうだ。これまでにアレルギー反応を起こした人は要注意である。
このような状況もあり、私はワクチン接種を受けるかどうかと質問を受けることがあるが、もちろん受ける。英国ではウイルス遺伝子が変異を起こして1.7倍感染を起こしやすくなっているとジョンソン首相が言っていた。
世界的に見ても感染の急拡大がおこっており、1日の感染確認者は70万人、死者数は1万人となっている。これまでに約7600万人が感染し、170万人近くが死亡している。感染して死んでしまうのか、アナフィラキシーで命を落とすリスクを比較すれば、私は高齢者で持病持ちだから、リスクはあっても受ける方がいいと考えている。
編集部より:この記事は、医学者、中村祐輔氏のブログ「中村祐輔のこれでいいのか日本の医療」2020年12月20日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。