眞子様の集団的過熱報道に「そっとしておいたら」の声

読売新聞朝刊に掲載された週刊文春、新潮の広告(12月24日付け、編集部撮影)

眞子様と小室圭さんの結婚問題で、週刊誌や月刊誌が毎号、特集や大きな記事を掲載しています。ほとんどが小室さんに対するバッシングで、集団的な過熱報道としかいいようがない。ヒステリックです。

小室さん側には皇族と結婚するのにふさわしくない内情があるにしても、これだけ叩かれながらも、眞子様が結婚への意思を改めて表明し、秋篠宮も「結婚することを認めます」と、親の思いを明確にされました。

結婚は憲法の定める基本的人権の一つであり、「結婚は両性合意のみ基づく」(憲法24条)と、定められています。お二人の結婚の決意に周囲は干渉できない、してはならない。騒がずにそっと見守ることです。

集団的過熱報道には、皇室の将来への懸念、小室さん周辺のトラブル、税金による一時金の支給の意義、上皇ご夫妻の懸念の有無、売れさえすればいいという商魂など、さまざまな動機があるでしょう。

私は「どのような問題があるにせよ、お二人の決意を尊重するしかない。もうそっとおいてあげたらどう」と、思います。そう考える人も少なくないのに、そうした声は売れないとの考えなのか。

特に小室さん批判は、表現・報道の自由を憲法が保障しているからといって、人権侵害にあたりかねない過剰報道のレベルです。視点が相当に偏っている。雑誌にっとては、破談のほうが売れるか。

宮内庁の対応も疑問

まず、宮内庁の対応が正しかったのかどうかの報道が目につきません。西村長官は「小室さん側は説明責任を果たすべきだ」(12/10)と記者会見で述べました。そこまで踏み込むのは異例で、恐らく小室批判が殺到し、宮内庁として、そう言わざるを得ない状況に追い込まれたか。

そうした背景があったにせよ、集団的過熱報道を宮内庁が後押ししたにひとしい。雑誌、ワイドショーが飛びつくに違いない題材を提供しました。下手なメディア対応だったと思います。

確かに小室さん側には借金、奨学金などをめぐる不明朗な問題が多い。宮内庁は今頃になって、小室さん側に説明責任を求める。なぜ婚約発表に至る前に、小室さん側の身辺調査をしなかったのか。

秋篠宮が「本人たちの意思を尊重し、身辺調査に乗り気ではなかった」とかいう記事を読んだことがあります。事実かどうか知りません。結果はどうだったか。事前に調査しておくべき問題が多くあった。

雑誌などはそこを考える記事をなぜ書かないのか。小室さん側ばかりを叩くことに懸命なのです。お二人は学生時代にデートを重ねており、宮内庁側は当然、将来のことを予測し、身辺調査が必要でした。調査しておけば、秋篠宮も別の考え方をしたかもしれません。

そこをつかれるのが嫌だから、小室氏批判の流れを作っているのではないか。メディアは宮内庁批判の記事は書かない。記者団も会見でそのことを質したかどうか。雑誌は叩きやすいところを叩く。

皇室側の問題はどうでしょうか。「天皇も結婚について裁可(許可)された」(9月3日)と、宮内庁は発表しました。秋篠宮も「結婚することを認める」。天皇の許可を得た婚約はまず破棄できないとされるため、天皇、秋篠宮側からは動けない。

だから小室氏の結婚辞退を皇室側、宮内庁側も本心では望んでいるのでしょう。旧皇族、旧華族などの旧勢力、日本会議の右翼的な連中もそうでしょう。だから小室氏批判一色の過剰報道が生まれるのでしょう。

攻撃しやすい小室さん側だけを標的にしている。結婚したいというお二人のうち小室圭さんだけが標的です。連日の小室バッシングの報道に対する眞子様の苦悩が想像できます。

さらに皇室問題は、民間人については、あれこれ書きやすいという傾向があります。民間から来られた美智子妃、雅子妃も、神経に障ることを何度も書かれたに違いありません。反民間の人たちが憶測情報を流すことも多いのでしょう。雑誌記事のいくつか紹介しますと、「小室さん、男らしく身を引いて」(月刊Will)、「小室さんのイジメで私は高校中退、ひきこもりになった」(週刊文春)、「小室さんとは破談にするしかない。有識者が断言」(週刊現代)、「ご結婚に不安を覚える」(週刊女性)などなどです。


編集部より:このブログは「新聞記者OBが書くニュース物語 中村仁のブログ」2020年12月25日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、中村氏のブログをご覧ください。