新型コロナの感染者増が止まりません。
いま国民の生活と命を守るために、国は何をすべきか。
その「新しい答え」を見いだすため、感染者が特に多い首都圏の小池東京都知事と大野埼玉県知事からも直接要望を伺い、同僚議員の知恵も借りて、本日(5日)の政府・与野党連絡協議会において国民民主党として政府に緊急申し入れを行いました。
休業要請に従わない場合の「北風=罰則」と、「太陽=補償」のセットによる特措法改正は、国民民主党が昨年の4月から提案し続けてきたものです。
予算委員会での提案から8ヶ月余りを経て、ようやく政府も重い腰を上げましたが、中途半端な改正とならないよう、今後も働きかけを強めていきます。
本来、緊急事態宣言を出すのであれば、バージョンアップした特措法で出すべきです。自民党と立憲民主党が特措法改正について、2月上旬の成立で合意したとの報道がありますが、緊急事態宣言が解除された後に特措法を改正するのは、あまりにもちぐはぐです。新たな「後手」になりかねません。1月18日とされる通常国会の開会を前倒しして、可及的速やかに法改正すべきです。
また、緊急事態宣言を出す一方で、肝心の経済対策が全く出てきていません。国民民主党が11月27日の緊急経済対策で提案したとおり、現役世代には追加で10万円、低所得者にはさらに10万円上乗せして20万円を配るべきです。ちなみに、米国では1人600ドル(約6万円)の追加現金給付を12月21日に議決。さらに下院では1人2000ドル(約20万円)への増額も可決しました。(上院では否決)
15日で申請期限となる持続化給付金や家賃支援給付金の延長も不可欠です。雇用調整助成金の特例の更なる延長も必要でしょう。
とにかく菅内閣のやることは全て2〜3週間遅いので、ぜひ私たちの提案も参考にして、先手先手で対応してほしいものです。
(以下、政府に申し入れた内容)
令和3年1月5日
内閣総理大臣
菅 義偉 殿
国民民主党
緊急に実施すべきコロナ対策について
1.特措法の早期改正等
○国会を前倒して開会し、可及的速やかに特措法を改正(2月上旬よりも早く)
○緊急事態宣言下における国の責任による休業全額補償と事業者に対する罰則をセットで改正
○基本的対処方針に基づく施策については、原則、国による支弁とする。施行令11条に基づく対応については交付の基準額を示し、その際、売り上げの規模や従業員数、店舗数に応じたものとし、実効性の担保につながる額とする
○基本的対処方針策定に都道府県も参画できるようにする
○緊急事態宣言下でできること(45条1項以下)と非宣言化でできること(24条9項等)を区別し、より私権制約的な対応は宣言下で行うことを原則とする
○45条2項の施設管理者については、実効性を担保するとともに、規制を遵守した者が不利益を被ることのないよう、現行の要請、指示・公表に加えて、立入検査・公表、命令・罰則の規定を新設(※国民民主党として独自に法案を提出済み)
○療養施設(ホテル)を法律に明確に位置付け、必要施設数及び配置人員の確保や、入所勧告、無断外出防止を担保
○感染者の自宅療養、宿泊療養を義務付けることのできる規定を設ける(「勧告」では弱い)
○病床が不足する場合、国が必要な経費や経営補償について支弁することで、都道府県知事が民間の医療機関に病床の提供を実効的に要請・指示できることとする
○指定感染症2類相当の10月運用見直しの更なる改善(入院基準の政令による明確化など)
○感染者に対する差別対策
2.情報の開示と共有等
○国民の協力を得て対策の実効性を担保するためにも十分な情報開示が必要であり、具体的な対処方針を速やかに周知し、経済・社会の混乱を回避する
○目前に大学入学共通テストが迫っている受験生に対する情報提供は特に配意
○発症した受験生には追試験の機会を十分に設ける
○教育・保育施設等については、春の緊急事態宣言の状況も検証し、慎重に対応
○経済団体等にテレワークの推進を強く要請するとともに、対応状況について報告義務を課し、その内容を報告
○変異種などの遺伝子情報を含む医学的・疫学的説明、感染者の国籍情報の開示等
○都道府県と保健所政令都市の感染者情報共有の一層の円滑化を進める
○民間検査機関による陽性者情報の届出を義務化し、感染者情報を一元的に集約
3.水際対策の強化
○変異種が増加している中、ビジネストラックを含む全ての国からの入国の全面停止
○入国時検査と14日間隔離の義務化(「要請」では不十分)
○入国後の移動制限の義務化(公共交通機関の不使用「要請」では限界)
○接触確認アプリ(COCOA等)の義務化とファーウェイ社製スマホへの対応
○上記義務化のための検疫法等の速やかな改正
○出入国管理法改正(5条1項14号に基づく現行法援用では限界)
4.医療従事者等への支援
○医療従事者の特殊勤務手当や慰労金の引き上げ・対象拡大
○医療従事者のボーナス等の減少への補填等が可能となるよう、緊急包括支援交付金の運用を柔軟化
○保健所の人員の拡充をはじめとした保健医療行政の強化
○医療従事者のみならず、介護従事者、保育士などエッセンシャルワーカーへの支援強化及び定期的な検査の実施
○休業した保護者に対する支援制度の周知徹底と事業者による申請推進
5.家計支援
○10万円の追加給付(現金給付と所得税還付の組み合わせ)
低所得者は10万円上乗せして20万円とする
参考)米国は1人600ドルの追加現金給付を12月21日に議決(下院では12月28日に1人2000ドルへの増額も可決したが、上院では否決)
6.事業者支援
○雇用調整助成金の特例の期限(2月末)の更なる延長
○持続化給付金及び家賃支援給付金の申請期限(1月15日)の延長
○持続化給付金の上限(200万円、100万円)を撤廃し、売り上げの規模や従業員数、店舗数を勘案した給付額とすることや、複数回給付を可能とする
○日本版PPP(Paycheck Protection Program)の創設
中小企業に人件費を含む経費を融資し(上限1社10億円)、一定期間雇用を維持する場合は返済免除。「緊急小口資金」の中小企業版
○昨年4月28日に野党が共同提出した、政府系金融機関がテナント料の立替払いを行う「家賃支払猶予法案」の早期成立による新たな家賃支援制度の創設
○返済不要の資本性資金である(永久)劣後ローンによる事業主支援の強化
7.その他
○広く国民にワクチン接種が行き渡るよう、治験も含めた諸手続きの迅速化
○SNSによる自殺相談窓口の拡充など「孤独対策」の充実
○さらに入院を要するものが増える事態に備え、緊急的な病院代替施設の設営準備を可及的速やかに開始
○日本版CDCを創設し、司令塔機能を強化
以上
編集部より:この記事は、国民民主党代表、衆議院議員・玉木雄一郎氏(香川2区)の公式ブログ 2021年1月5日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はたまき雄一郎ブログをご覧ください