コロナに強い「収入保険」

3月10日の農林水産委員会で、農業者のための「収入保険」を取り上げました。聞いたことがない方も多いかもしれませんが、実はコロナによる収入減少にも有効で、かつ事業規模に応じた支援策になっています。

参考)農林水産省HP「農業経営の収入保険

農業者向けの収入保険とは

もともと「収入保険」は、自然災害や価格下落といった農業者の経営努力では避けられない収入減少を補償する制度で、2017年に法律が成立し制度が創設されました。私も法案の起草にかかわったので思い入れがあります。

青色申告を行なっている農業者が対象で、収入(農産物の販売収入)が、基準収入(過去5年間の平均収入)の9割を下回ったときに、下がった分の9割を上限に収入が補償されます。

コロナに強い収入保険

経営努力ではどうしようもない収入減少という意味では、コロナも自然災害も同じです。この「収入保険」が、コロナ禍による売り上げの減少についても補填がされるということで、改めて制度のメリットが見直されています。

確定申告して、前年の収入が減っていたことが確定してから補填金が支払われますが、それまでの間は「無利子のつなぎ融資」が受けられます。

しかも、保険料の半分を国がみてくれるのでとてもお得な保険制度になっています。さらに、コロナ支援策として残りの半分の保険料も地方創生臨時交付金で支援することが可能となったので、農家負担がさらに軽減されます。「持続化給付金」や「一時支援金」とあわせて受け取ること(併給)も可能です。

つまり、コロナが理由で収入が減少した農業者(保険加入者)は、減収額に応じた補填(減収分の9割)を十分に受けることができるわけです。このように「収入保険」は、自然災害や価格低下だけでなく、コロナによる経営リスクにも極めて強い支援制度と言えます。

▲収入保険のリーフレット(クリックするとPDFが表示されます)

不公平なコロナ支援策

緊急事態宣言下で時短要請を受けた飲食店に支払われる1日一律6万円の協力金などは「事業規模に応じた支援」ではないため、6万円では足りない店舗がある一方、「協力金バブル」と言われるように支援が過剰になる現象も生じています。あまりにも不公平だということで、訴訟を提起する飲食店まで出てきています。

それに対し、収入保険はまさに「減収額に応じた支援」が受けられる制度です。実は、制度創設時にはそれほど加入者が伸びず、事務を取り扱う「全国農業共済組合連合会」も当時は頭を抱えていました。しかし、今回のコロナ禍によって、収入保険が「需要の蒸発」など感染症による経営リスクにも対応できる優れた制度であることが分かり、いま加入者が伸びています。農業者の皆さんには「コロナに強い収入保険」に加入することをぜひお勧めします。

いまこそ事業規模に応じた支援を

現在、コロナの緊急事態宣言は首都圏を含め解除となりましたが、引き続き飲食店等に対する時短営業の要請は継続されており、その影響は全国に及んでいます。それに対し、国や地方自治体は「一律」の協力金や上限60万円の一時支援金でしか対応できていません。今必要なのは、地域や業種を問わない、事業規模に応じた支援です。

常に天候リスクなどにさらされている農業経営の分野では、これまで減収への様々な対策が講じられてきたので、コロナによる減収対策として参考になるところが多くあります。

国民民主党は、コロナに苦しむ経営者の皆さんが必要としている政策を実現するため、新たな法案を近日中に国会に提出します。ご期待ください。

※収入保険に関する衆議院農林水産委員会(3月10日)の質疑はこちらからご覧いただけます。ぜひご覧ください。(4時間20分20秒頃から、質疑社から「玉木雄一郎」をクリック)


編集部より:この記事は、国民民主党代表、衆議院議員・玉木雄一郎氏(香川2区)の公式ブログ 2021年3月23日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はたまき雄一郎ブログをご覧ください。