法案の条文間違いは問題でも、それを理由に審議拒否をする一部野党はさらに大問題

こんにちは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。

24日は国会が荒れ模様で、25日以降のスケジュールが立たない状況が続きました。

一部野党が「法案ミス」を理由にお家芸である審議拒否を発動しているためです。

政府法案ミスさらに拡大 野党、国会審議拒否方針

まず結論から申し上げますと、私は法案の条文ミスはあってはならないものの、それを理由に審議拒否するのは明らかに過剰反応であると思ってます。

以下、順を追って説明していきます。

そもそも「政府法案でミスが何十箇所も!とんでもない!」という論調で報道や批判がされており、それは完全な間違いとは言い切れないものの、ややミスリードです。

大量の誤字脱字などのミスが発覚したのは法案そのものではなく、それに付随している「参考資料」内の話

それぞれの法案には実際に上程される条文の他、新旧対照表・要項・説明のポンチ絵など大量の参考資料があります。ほとんどのミスはこの参考資料内のことです。しかも、誤字脱字レベルの。

今日、私も所管する財政金融委員会マターの法案で間違いがあったとのことで、財務官僚が謝罪と説明にすっ飛んで来られたのですが、

誤:生理用ナプキン
正:生理用のナプキン

…いや、意味同じだしどっちでもよくないですか?!文脈からも何かと間違いようがないし、なぜこれが誤りなのかと聞くと「以前の資料で『生理用のナプキン』となっていたから」とのことでした。

このレベルのミスが、参考資料内にあったからといって目くじら立てる必要ってあるんですかね?

中には国防関係で「国名」を間違えたものもあるので、そのレベルになると厳重注意はした方が良いと思いますけど、誤字脱字レベルの完璧さを法案周辺の「参考資料」にまで求めるのはコスパが悪いと私は思います。

で、法案本体・条文で誤字脱字などが見つかったのは、担当部署に確認すると現時点では3箇所とのこと。

これは問題です。なにせ実際に可決されたら法律になる部分ですから、可決後まで気づかなければ修正するのは大変な労力がかかります。

ただ、重大なミスですし再発防止は徹底して欲しいと思いますが、それで審議拒否をして良いかというのはまったく別問題です。端的に言えば、審議拒否してすべての審議を止めるのは過剰反応としか言いようがありません。

一部野党が「やってる感」をアピールするために行われる審議拒否で、すべてのスケジュールが狂って大量の残業など無駄・負担が発生していることでしょう。

おもち氏が上記のTweetで指摘しているように、官僚のミスを「チャンス」とばかりに責め立ててても、それは自分たちに返ってくる可能性すらあります。

元経産官僚の宇佐美典也氏は「自分たちで直せよ」とバッサリ

繰り返しになりますが、参考資料でもミスは良くないですし、法案本体であればあってはならないことだと思います。

しかし、そのミスに対して何をどこまで求めるかは、事の軽重を考えて冷静に対応する必要があるのではないでしょうか。

私たちがやるべきことは、建設的に再発防止策を考えることです。

一部野党の関係者は「これは与党側も問題を認識して同意しているから、審議拒否ではない」云々とおっしゃっているようですが、野党筆頭側から「審議はしない」と言って与党側に詰め寄ったわけですから、これは詭弁です。

審議拒否をしている一部野党が論外なのは勿論のこと、与党側も上から目線で「チェックが必要だ」などと官僚のミスを責めている場合ではありません。

河野太郎大臣の残業チェックに意味はあったと思いますが、ただ「残業時間」を減らそうとすればどこかにしわ寄せが生じるのは当然のことです。

霞が関の業務見直しに着手し、慣習で続いている無駄な業務を徹底的に減らしていく、複数の省庁に似たような業務がある二重三重行政をなくす、最新技術の導入でミスを防ぐ、外注可能なものは外注するなど、政府がやるべきことはたくさんあるはずです。

立法府の立場からも、ただミスを責めるばかりではなく、建設的な再発防止策を提案していきたいと思います。

動画でも解説してます

それでは、また明日。


編集部より:この記事は、参議院議員、音喜多駿氏(東京選挙区、日本維新の会)のブログ2021年3月24日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。