コロナ第4波を封じ込め、経済社会活動と両立させる「コロナ三策」を提案します

首都圏の緊急事態宣言解除から1週間あまりで、既に一部地域で感染の再拡大が確認されています。解除にあたって政府から示された対策だけでは、全国的なコロナ第4波を封じ込めることが難しいでしょう。また、長引く飲食店等の時短営業は、地域経済全体に大きな悪影響を与えており、第4波が発生すれば日本経済はさらに深刻なダメージを受けます。

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そこで、変異株による第4波封じ込めと経済社会活動を両立させるため、病床確保、検査拡充、経済社会活動との両立の「コロナ三策」を提案します。単にまん延防止等重点措置を出すだけでは事態は改善しないでしょう。近日中に政府に直接申し入れるつもりです。

1.病床確保

以前から主張しているように、病床がひっ迫している原因は、病院の機能に応じた役割分担と相互連携が進んでいないことに加え、コロナ患者受入れによる赤字経営への不安です。

厚生労働大臣と都道府県知事の権限と責任を明確にした上で、両者は総合調整機能を積極的に果たすべきです。また、コロナ重症者病床に出ている1床あたり1,950万円の補助を「赤字補填」にも使えるよう運用を柔軟化する必要があります。

その上で政府の対策で定めた「病床・宿泊療養施設確保計画」の見直し期限を、現在の5月中から4月中に1ヶ月前倒しすべきです。

2.検査拡充

変異株の感染が拡大する海外で子どもに感染しやすい可能性が指摘されており、日本のデータでもその傾向が示されています。そこで、無料定期検査の対象を、医療機関や高齢者施設だけでなく、学校、幼稚園及び保育園にも拡大すべきです。


また、薬局や職場・自宅などでの無料検査が可能となるよう、国は財政的な支援を行うべきです。民間検査を活用するため、国が精度管理することも必要です。

欧州などの知見も参考にしながら、検査目的に応じてPCR検査と簡易的な抗原検査を適切に組み合わせ、サーベイランス(監視)検査や診断検査を拡充し、検査を「誰でも受けられる」ようにすべきです。

3.経済・社会活動との両立

解除後も続く時短営業等に伴う経済的影響は全国の幅広い業種に及んでいます(全国知事会の緊急提言)。地域や業種を限定せず、売上減少率に応じて固定費の一部を支援する新制度を創設すべきです。国民民主党は新たな法案を近日中に国会に提出します。

また、欧米では経済社会活動のために検査陰性やワクチン接種を証明する「デジタル健康証明書」(QRコード)の発行計画が進んでいます。

 

日本でも、外国人観客の健康管理用に73億円かけて開発中だった五輪アプリを国内向けに改修し、国際的にも相互認証可能な「デジタル健康証明書」を発行できるアプリの提供を急ぐべきです。

その上で、GoToキャンペーンの再開により旅行・宿泊業や飲食業等の支援を行う際には、利用者に上記の「デジタル健康証明書」の提示を求めるなど検査陰性を条件とし、感染拡大防止と経済社会活動の両立を促すインセンティブを付与する制度設計とすべきです。

検査拡大による経済社会活動との両立は、自民党観光産業振興議員連盟の細田博之会長も主張されていらっしゃいます。今後、与野党を超えて理解を求め、実現に力を尽くします。


編集部より:この記事は、国民民主党代表、衆議院議員・玉木雄一郎氏(香川2区)の公式ブログ 2021年3月29日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はたまき雄一郎ブログをご覧ください。