原発処理水海洋放出を巡る3種の反対・慎重論を検証

こんにちは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。

ついに本日、福島第一原発内に貯蔵されている「処理水」の海洋放出が決定されました。

福島「のみ」に負担を背負わせることには今後も対案(東京や大阪での一部受け入れ)を出していきますが、廃炉作業と復興のためにも、大半の処理水は海洋放出する他なく、この総理・政府の決断は支持するものです。

何度も申し上げてきた通り、原子力関連施設から処理水が放出されるのは国際的にも認められたスタンダードな方法であって、中韓などが早速懸念を声をあげているものの、これは政治的な意図に基づいたものであることは明らかで、毅然とした反論が必要です。

加えて政権批判が目的化している一部野党も一斉に反発を強めておりますが、その対応を誤ると風評被害へと直結します。

まさにここから2年が正念場とも言えるわけですが、海洋放出を懸念される方には大きく3つのケースがあると思います(もちろん、混合している場合もある)。

(1) 処理水は科学的に危険だ、汚染されている!と考えている

確かに貯蔵されているタンク水の中には、現状においてはまだ基準値以上の汚染物質が残っているものがあるのは事実です。

しかしそれらも含めて、貯蔵されている水はしっかりとALPS処理され、安全な基準値以下にして海洋放出されることになっています。

これについて「ゼロリスク」を強く求める原理主義的な人を説得することは困難ですが、単に誤った情報を信じている人も多くいると考えられ、正しい情報を繰り返し伝えていくことが重要となります。

(2) 科学的には安全な方法なのかもしれないが、政府や東電が信用できない

難しいのはこちらの「きちんと処理すれば安全なのかもしれないけど、そこが信用できない」というケースです。

特に東電については、現在進行系で不祥事が続いておりますから、「信頼できない」という声が上がるのはある意味では当然のことだと思います。

ここについては政府のダブルチェックに加えて、国際機関(IAEA)がモニタリングに協力することなども強調しながら、ここから2年間の情報公開を徹底してメインの主体である東電が信頼を取り戻していく他ありません。

この点については、国会質疑で私からもきちんと確認・提案をしていきます。

(3) いずれにしても風評被害が発生するからダメだ!

まさにここから最大の課題は、風評被害をいかに最小限にするかです。

風評被害が発生するから避けよという指摘・懸念はまっとうなものではあるのですが、さりとて永久にタンクに貯蔵しておくわけにはいかないことは、これまでも繰り返し述べてきた通りです。

🤍Ako*°🤍 (@heart8255) on X
田中氏のこの言葉に尽きるのではないか。 「廃炉というのは放射能を水で洗い流しながら進めていくもの。水を処理して排出濃度基準になったらその水を捨てるというプロセス抜きに廃炉は進まず、水をためておけばいいという考えは『廃炉をやめます』というもの」

 

(1)(2)の懸念に打ち返していくことと同時に、個人レベルでは安心安全を発信していくこと、福島の海産物を食べることが小さな積み重ねですが効いてくると思っています。

ヨッピーさんの記事を参考に、福島県産品が購入できるサイトをご紹介しておきますので、ぜひ皆様も購入をご検討ください。

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明日以降、国会でも処理水を巡る議論が活性化すると考えられます。

特に当時政権を担っていた方々にも責任ある態度を求めつつ、風評被害を最小限にした海洋放出の実施に向けて建設的な議論を重ねていきたいと思います。

それでは、また明日。


編集部より:この記事は、参議院議員、音喜多駿氏(東京選挙区、日本維新の会)のブログ2021年4月13日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。