緊急事態宣言の再発令は愚の骨頂だ

大阪府の吉村洋文知事は4月19日、新型コロナウイルス感染急増を受け、政府に緊急事態宣言の発令を要請する考えを表明した。それを受けて、政府も発令に向けた検討に入る。

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東京都も22日にも政府に発令を要請する模様だ。おそらく、大阪にも東京にも宣言が再び発令される事になるだろう。そして、それに追随するように、他の県でも要請→発令が行われる事になるはずだ。

緊急事態宣言が発令されれば昨年4月からと今年1月からに次いで3回目となる。政府よ、そして都道府県の首長よ、一体、これまで何をしていたのか?

菅義偉首相にしても、前回の緊急宣言延長の時に、全身全霊で医療体制の逼迫を改善すると言っていたではないか。それが、こんな短時日でまたもや緊急宣言の発令とは、根本的な対策ができていないから、このような事になるのではないか。

医療体制の逼迫にしても、なぜ医療が逼迫するのか、その原因を究明し、改善・解消に向けて、政府や自治体は全身全霊で動いたのだろうか?

大阪、東京とも宣言に準じた「まん延防止等重点措置」が適用中だが、これも殆ど効果はなかった。そもそも、緊急宣言やまん防の時短や休業など殆ど効果がないのだ。

特に時短は新型コロナの蔓延防止に殆ど効果がないだろう。それよりも、飲食店等の感染対策を徹底する(店の席にそれぞれシートを付け、個室状態にする)ことのほうが有効であろう。これで、感染防止と経済の活性化、その両方が叶うことになる。

東京都の飲食店においても「感染防止対策を徹底しています」とステッカーが貼ってあるにも関わらず、衝立すらない、客との距離が狭いなど、感染対策がなっていない店も多い。これなどは、ステッカーを「安売り」してきた弊害であろう。真に感染対策をやっている店にステッカーを配り、それ以外には配布しない、そして感染対策の競争を誘発していくほうが余程意味があるのではないか。

去年の緊急宣言が解除されてから、様々できる事はあったのに、それを素早くやってこなかったツケが回っているのだ。なぜかgotoキャンペーン実施だけが異常に早かったように感じる。

為政者は国民の皆様にお願いしたいとよく言うが、国民のほうが政府にお願いしたいくらいだ。まともなコロナ対策をやってくださいと。私は政治家に対し「緊急事態宣言」を発令したい思いである。

緊急宣言が発令されたら、休業の要請が可能になり、要請・命令に応じない場合の罰則(過料)も重点措置の「20万円以下」から「30万円以下」に引き上げられる。これも、酷い法律である。

適切な補償もなく、応じなければ罰則が課される。根本的な問題解決に邁進しないまま、緊急宣言発令と解除の繰り返しに、いい加減にしろと叫びたい人も多いはずだ。法律のなかには「悪法」もある。そんな悪法には従わず、ドンドン営業してください、店に行ってくださいと私などは主張したい気分だ。

そもそも、人流が活発になっているという事は、人々は新型コロナをそれ程怖い感染症とは感じていないのである。メディアが恐怖を煽り、行政がそれに追随する悪循環が去年から出来ているように思う。私は「コロナ脳」でもなければ「コロナは風邪」と主張する超楽観派でもない。その中間である。

政府よ、自治体の首長よ、やってる感しか出さず、根本的な問題解決に向けて動かなければ、いい加減にしないと国民の「反乱」が起こりますよ。