誰もが薄々感じている「日本の劣化」

昨年のコロナウィルス感染拡大から1年以上が過ぎました。この間の国内の取り組みを見ていると、日本人の多くが、口には出さないものの、薄々感じていることがあると思います。それは、日本の劣化です。

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私の知り合いは、インド料理店のインド人店主から「なぜインドは、ワクチンを作れるのに日本は作れないのか」と真顔で聞かれ、答えられなかったそうです。

これは、製薬会社の技術だけの問題ではなく、日本のワクチン開発の認可の規制が厳しく、行政の柔軟な対応ができていないという理由も大きいのでは無いでしょうか。

インドだけではなく、新興国と呼ばれる中国やロシアも、品質はともかく、ワクチンを自国で製造し、国内だけではなく各国に供与しています。

日本は、コロナウィルスワクチンは、自国での開発ができないだけではなく、海外からの調達が遅れています。

更に、もしこれからワクチンが手に入ったとしても、効率的な接種も期待できそうにありません。ワクチンの配布の方法も、接種方法も場当たり的で、現場の人たちはこれから更に疲弊するのではないかと心配です。

果たして、日本はこれからも先進国のままでいられるのでしょうか。いや、もしかしたら既にこの国は、先進国グループから滑り落ちているのかもしれません。

個々人が勤勉で真面目に働き、敗戦から高度経済成長を実験した日本が、どうしてこのようになってしまったのか。危機感を持っている人はたくさんいるはずです。

そんな中、発令された緊急事態宣言ですが、東京都知事は、緊急事態宣言でアルコール提供の自粛と共に、夜の繁華街の消灯を呼びかけているそうです。街を暗くして、歩けなくすることがコロナウィルス感染拡大防止に効果的と本気で思っているのでしょうか。

もしかしたら、多くの東京都民は、私と同様に危機感を通り越して、既に呆れているのかもしれません。

イタリアより美味しいイタリアンは、いずれ東京では食べられなくなる日も近い。東京に住みたいと思わなくなる日がもしかしたら来るかもしれない。パスタを食べながら、そんなことを思い、少し悲しくなりました。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2021年4月24日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。