3年ぶりの参議院憲法審査会、緊急事態の議論を始めよ

サボり続けていた参議院憲法審査会、3年ぶりに開催。自由と権利を守るためにこそ、緊急事態の議論を始めよ

こんばんは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。

5月に入りましたね。5月3日は憲法記念日ということで、だからというわけではありませんが、4月28日に参議院憲法審査会が3年ぶり(!)に開かれました。

約3年ぶり参議院憲法審査会で自由討議 憲法改正是非などで意見
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210428/k10013002581000.html

改めて維新の改憲に対する立場を整理しておきますと、改憲項目として正式に提示しているのは

・教育無償化
・統治機構改革
・憲法裁判所の設置

の3点です。

https://o-ishin.jp/news/2017/images/90da581ba24723f77027257436ab13c1cec1a1ed.pdf

そして憲法9条や緊急事態条項については「積極的に議論をするべし」という立場で、とにかく目の前に迫った課題や時代情勢の変化について、議論の俎上にあげつつ党内の意見を集約していく立場を取っています。

議論の結果、憲法改正発議に至らないという結論になったとしても、これだけ新たな課題が鮮明になっている中で、3年以上も参議院憲法審査会が開催されなかったことは完全に国会の怠慢だと言わざるを得ません。

維新が5年前に発表している改憲案は、手前味噌ながら非常に精緻に作り込まれたレベルの高いものです(私も入党してから詳細を確認し、唸りました)。

単に憲法9条改正に突き進んでいるわけではないということはぜひ知っていただきたく、憲法記念日などを機会に知っていただければ幸いです。

日本維新の会 憲法改正原案
https://o-ishin.jp/news/2017/images/90da581ba24723f77027257436ab13c1cec1a1ed.pdf

そして目下のところ急を要する課題といえば、NHKニュースでも松沢議員のコメントとして抜かれている「緊急事態条項」でしょう。

「私権制限」については、触れるだけで大きな反発が起こります。私も自由主義者として、私権制限などまったく望むものではありません。

明確な線引も十分な補償もないまま、営業自粛に酒類の販売停止・カラオケ器具の利用停止など営業権の侵害や、路上飲みの注意喚起など行動制限が行われつつあります。

なし崩し的に自由が奪われていくことこそ、もっとも憂慮されるべき事態のはずです。

「緊急事態条項がなくても法律でできる」論の問題点とは
こんにちは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。 政策勉強会の二日目がスタート。最初の講師は憲法学者の井上武史先生です。コロナ対応において、「緊急事態条項」を憲法で持つ国々はどう対応したか。持たない国や、使わなかった国はどうか...
参考過去記事(2020年7月)

政治家と国会は、この問いから逃げるわけにはいきません。左派からも、自由主義者からも反発はあるでしょう。

維新 松井代表“感染症対策で私権制限 国会での議論必要”
https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20210430/2000044924.html

しかし「今よりもマシ」な状況に前進するため、我々は背を向けることなくこの難題に立ち向かい、議論をリードしていきたいと思います。

会期末まであと一ヶ月超。憲法審査会は何度開くことができるかが正念場。ご注目いただければ幸いです。

それでは、また明日。


編集部より:この記事は、参議院議員、音喜多駿氏(東京選挙区、日本維新の会)のブログ2021年5月1日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。