新型コロナワクチン予約狂騒曲:佐倉市の場合

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本件を記事として残す理由は、佐倉市を非難したいためではない。

結果的に行政批判となることは免れないが、この記事の目的は「コロナワクチン予約」という全国一斉に行われる前代未聞の大事業に対し、基礎自治体でどのような問題が発生したか、また何に気を付けなければならないか、という点を記録として残すことであることを、はじめにお伝えしたい。

佐倉市のワクチン接種予約

5月9日日曜日午前8時30分、佐倉市で新型コロナワクチン接種の予約がはじまった。

佐倉市の場合、対象は65歳以上の高齢者であり、予約方法は電話とネットの2系統、ともに市が集中管理している。

佐倉市の65歳以上人口は約5万6千人だが、今回の予約はなぜか上限1万7千人を対象とした「分割予約」であった。この狭き門をめぐって相当な数の予約が殺到することは、容易に想定できた。

問題発生

予約開始からほどなく、私の携帯に電話がなり始めた。

最初は、「予約電話がつながらない」というもの。これは予想していた。予約開始直後は予約が殺到するため、電話がつながりにくいのは無理もない話なので、そのような理由を伝える対応をつづけた。

10時ちかくになったとき、今度はネット予約を試みている知り合いから電話が入りはじめた。いわく、予約サイトに「まったくつながらない」あるいは「途中まで予約ができたのに、最後の確認ボタンを押すとエラーとなってしまう」というもの。

試しにお問合せいただいた方と電話でやりとりを開始し、リモートで先方の状況を把握しながら予約を試みたが、やはりつながらない。この時点で相当嫌な予感がした。その後なんとかつながった場合でも、予約途中で「504 Gateway Timeout Error」が表示され、前に進めなくなる現象を確認した。

何度か苦心しつつやりとりした結果、間をあけつつブラウザのリフレッシュをかけたところ、設定した情報を保持しつつ前に進めるケースがあることを理解したが、エラー画面を確認したユーザーのほとんどは画面を閉じてしまうだろう。

そうこうしているうちに、私の携帯やメールやTwitterに、一斉に苦情の連絡が入りはじめた。

受付終了

私の場合、電話がつながりにくい、という苦情はたったの3件だった。そもそも、電話の混雑についてはほとんどの人がある程度覚悟していたということだろう。

一方、ネット予約に関する苦情は、全部で10名以上からいただいた。

それらの対応に追われた後、午後6時に相談を受けていた知り合いに連絡を入れつつ予約画面をみると、「予約は定員に達しました。次回の予約は、5月21日(金)8時30分から受付開始します」と表示された。つまり、1万7千人分の予約上限が埋まった、ということだろう。それにしても、次回予約開始が10日以上先とは驚いた。

私の受けた苦情のうち一番ひどいものは、朝からネット予約を試みていたが、結局すべてエラーとなり、予約できないうちに受付が終了した、というもの。その方は、エラー画面が表示されると即画面を閉じてしまっていたそうだ。その他、2回接種のうち1回分しか予約できずに終わってしまった、という苦情が多くあった。それらの方のほとんどから、2回目の接種までの期間が離れすぎてしまう懸念についてご意見をいただいた。ちなみに、ネット予約で完了までこぎつけたケースについては、1時間半が最短、4時間が最長だった。

総括

このような現象は、佐倉市に係らず、ワクチン接種受付を市で集中管理している基礎自治体において多かれ少なかれ発生しているようだ。

都内自治体 ワクチン予約の電話やサイトつながりにくい状態|NHK 首都圏のニュース
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実際に何がおきていたのか市側にも確認する必要はあるが、こういったトラフィックが集中する時間と最大値があらかじめ想定できるシステムにおいて、ここまで長時間通信が滞る事態が発生するのは大いに問題だ。今般の受付にどの程度のトラフィックを想定した回線、システム、データベースを用意したのか、また当日は発注先の業者のエンジニアをはりつけ、役所担当者とホットラインを敷いていたのか、等確認が必要だろう。さらに、受付開始初日に受付を終了し、次回予約の開始までに10日以上かかる理由もヒアリングする必要がある。

私としては、市長に対して次回以降このような問題が発生しないよう要望書を提出する予定だが、いずれにしても現時点で大切なのは「今後同じ失敗を繰り返さないこと」である。

以上、他市においても、今後の参考になれば幸いである。