自民党財政再建推進本部(下村博文本部長)のアドバイザーを務めています。13日、党本部で行われた会合に出席しました。小渕優子議員を委員長とする「財政構造のあり方検討小委員会」の報告がメインテーマでした。内容は報道を御覧ください。
報道されたポイントは下記の通りです。
・2022年から3年間、歳出改革を続ける
・社会保障については、受益と負担のアンバランスを是正する取り組みを継続すべき
・プライマリーバランス黒字化の目標を堅持する
・米欧で進んでいる法人税引き上げなどの動きについて、諸外国の取り組みを踏まえるべき
・さらなる危機に備えて、高齢化や人口減少の対応を先送りすべきではない
私からは次のようなことをコメントしました。
・東日本大震災の場合、復興計画が結果的に過大となり、無駄となった施策も少なくない
・戦後復興においても、敗戦前から戦災復興計画が検討を開始されていた
・仮に歳入改革を行うにしても、国民に納得感ある歳出計画が必要になる
・自治体に丸投げするのではなく、政府がリーダーシップを発揮して、コロナ禍からの復興計画を緻密に組み立てることを検討し続けてほしい
現時点での政策の再優先課題は「ワクチン接種のスピードアップ」です。一方、欧米が次第に平常化しつつあるように、日本社会も秋以降は日常生活に戻っていきます。その時をみすえて、国と地方の社会運営をいかに進めていくかの計画は練り始めていく必要があります。欧米で始まっているように、増税の議論も出始めるでしょう。震災復興をみてきた立場としては、そうした歳出の議論のまえに、社会保障、インフラ、教育、中小企業施策、グリーンなどの論点がどうあるべきか、緻密に組み立てていく必要があるように感じています。
財政再建本部の提言は5月中にまとめられ、骨太の方針(経済財政運営の方針)への反映につながることになります。
編集部より:この記事は、一般社団法人RCF 代表理事、藤沢烈氏の公式note 2021年5月14日の記事を転載しました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は藤沢氏のnoteをご覧ください。