なぜ赤羽橋は「AKABANE BRDG.」でないのか?

以前のブログでも書いたことですが、道路標識の英語の表記には違和感を感じることが度々あります。

最近、道を歩いていてたまたま見つけた写真の道路標識は「金杉橋」と「赤羽橋」の2つの橋が掲載されていますが、英語表記が異なっています。

金杉橋は「Kanasugi Brdg.」と「橋」だけが英訳されているのに、赤羽橋は「Akabanebashi」と全てがローマ字表記になっています。外国人から見ると、「Kanasugi Brdg.」の方が読みやすいと思いますが、なぜ同じ看板標識なのに違ったルールで表記をするのでしょうか?

もしかしたら、私が知らない明確な表記のルールがあるのかもしれません。しかし、もし看板標識を作成する担当者が、その都度適当に英語表記を考えて決めているとすれば、整合性がなく外国人は混乱します。

また、東京オリンピックを控えて、公共交通機関の車内アナウンスも日本語だけではなく英語でもされる場合が増えてきました。

電車で、車掌がアナウンスする場合は、ある程度の発音や文法のエラーに目くじら立てる必要はないと思います。毎回、アナウンスをしているうちに、改善していけば良いのです。

しかし、あらかじめ録音された英語のメッセージが流れる場合でも、その内容が外国人にも意味が通じ、伝える価値のあるものであるか疑問に思うような内容も結構あります。

英語による看板表記やアナウンスは、日本人のためのものではなく、日本に来て日本語が理解できない外国人のためのものです。

とすれば、日本人が独りよがりに英訳するのではなく、日本語が理解できない外国人の立場に立った英語の表記やアナウンスをきちんとチェックする体制を作っていくべきではないでしょうか。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2020年5月22日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。