6月25日、拙著『北条義時 鎌倉幕府を乗っ取った武将の真実 』が星海社より新書で刊行される。
「北条義時って誰?」と思う人も多いかもしれないが、来年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(脚本・三谷幸喜、主演・小栗旬)の主人公なのだ。
北条義時(1163〜1224)は、平安時代末期から鎌倉時代初期を生きた武将である。私は同書のなかで、北条義時のことを「地味キャラ」だと述べたが、その人物像や成し遂げたことを知る人は少ないように思う。
高校の日本史教科書にも北条義時の名は見られるが、黒字で強調されていないこともある。しかし、「地味キャラ」だからといって、歴史上、大きなことを成し遂げなかったのかといえばそうではない。
北条義時は、源頼朝の平氏打倒の挙兵に父・時政とともに参加。頼朝死後は、鎌倉幕府内の暗闘や内紛を勝ち抜き、ついには幕政の実権を握る。そして、自らを打倒しようとする後鳥羽上皇に対し、軍勢を上洛させて大勝(承久の乱)、上皇の配流を断行するのだ。
その波瀾万丈、激動の北条義時の生涯を、平清盛・源頼朝・源義経・木曽義仲といった人物と絡めながら描いたもの、それが本書『北条義時』なのだ。
北条義時はどのようにして幕政の中心へとのし上がっていったのか?
頼朝の挙兵は「革命」のためだったのか?
北条義時は単なる逆賊・朝敵に過ぎなかったのか?
承久の乱勃発の1つの要因になったとも言える三代将軍・源実朝暗殺に北条義時は関与していたのか?
そうした様々な謎を解き明かしながら、義時の生涯と激動の時代を見つめていく。大河ドラマの予習、副読本として活用頂ければ幸いであるし、歴史好きの人、三谷ファン、小栗ファンの人、その他、様々な人に読んで楽しんでもらえたら、望外の幸せである。 目次、内容紹介は以下の通り。
はじめに 2022年大河ドラマの主人公は地味キャラだ
第1章 義時の誕生から源平合戦、頼朝の死まで
第2章 鎌倉幕府内の死闘と義時
第3章 承久の乱
おわりに 義時伝説
【内容紹介】
鎌倉幕府を乗っ取り、天皇を島流しにした武将・北条義時の真実! 本書の主人公・北条義時はマイナー武将だ。しかし、鎌倉時代を真に作ったのは、源平合戦に勝利した源頼朝でも、鎌倉幕府で暗躍した有力御家人「鎌倉殿の13人」でもなく、最後まで生き残り、鎌倉幕府を我が物にした北条義時なのである。
北条義時は源頼朝と父・北条時政に巻き込まれる形で源平の戦いに加わり、やがて鎌倉幕府の有力者へと成長する。源頼朝没後、北条義時は幕府中枢「鎌倉殿の13人」の死闘を勝ち抜き、ついには父親を追放して鎌倉幕府の実権を握る。そして北条義時は朝廷と対立し、天皇・上皇との戦争という前代未聞の沙汰に及び、後鳥羽上皇らを打ち破って流罪にした。知られざる名将の覇業が、この一冊で明らかに!
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