コロナワクチン接種後の死亡データ、自動グラフ化に成功

鈴村 泰

Yakobchuk/iStock

以前に、死亡者のデータは、分析がしやすいようにエクセル形式ファイルでも公開するべきと提言しました。その後、何かうまい方法はないものかと調べていたところ、簡単に分析する方法があることに気づきました。

厚労省のデータは、PDF形式ファイルです。そのファイルをWordで読み込み、「編集を有効にする」をクリック後、ファイルの種類で「Webページ(*.htm)」を選択して、ファイルを保存します。次に、そのファイルをExcelで開き、「Excel マクロ有効ブック(*.xlsm)」を選択して保存します。以上で、変換は完了です。

エクセル形式ファイルになりますと、VBA(Visual Basic for Applications)が使用できるようになり、分析が非常に楽になります。

では、VBAにより自動作成したグラフを御覧ください。データは、厚労省が公開している「ファイザー社製ワクチン接種後の死亡報告事例の概要」を使用しています。なお、接種日が不明と記述されている症例は除外してあります。また、ごく一部の日付に不規則な記述がみられ、その場合はデータが正しく取得できないため、人数には若干の誤差があることは、ご容赦ください。

死亡が偶発的でないことを示唆しています。ただし、情報バイアスの問題があるため、立証したとは言えません。なお、3日以内の死亡は、52%でした。

現時点では、65歳以上の人の割合が高いため、全年齢と類似したグラフです。

65歳未満の人は65歳以上の人と比べて体力があるため、発病から死亡までの期間が長くなった可能性があります。より正確な分析のためには、発病日のデータが必要です。

20歳代が6人、30歳代が4人、40歳代が9人死亡しています。

2019年の年間死亡者数は、1,381,093人です。1日ですと、3784人です。接種後の死亡としては、令和3年2月17日から令和3年7月16日までの150日間に751人死亡していますので、1日ですと5.0人となります。

1日の偶発的死亡(いわゆる自然死)の3784人に対して、接種後の死亡は5.0人と大きな差があります。政府は、接種後の死亡は偶発的なものと主張しているわけですから、接種後の死亡はもっと多くても不思議ではありません。報告バイアスのみでは説明がつきません。この大きな差が生じた主因は、「自然死した3784人の大多数には死期が迫ってきていて、全身状態が悪かったため、ワクチンを接種することができなかった」ことであると、私は推測します。

厚労省の新型コロナワクチンQ&Aによれば「基礎疾患のある方は、病状が悪化していたり、全身が衰弱している場合は避けた方がよいと考えられます」と記述があり、死期が迫っている人は、ワクチンを接種していないはずなのです。もし、そのような人に接種しているのであれば、不適切な接種ということになります。

前回提案した手法を用いれば、実際に何がおきているのかが、はっきりします。1日の自然死の3784人のうち、1か月以内に何人が接種を受けていたのか、調べることができます。仮に接種を受けていた人が20人としますと、接種していなかった人が3764人となります。この場合、平均通りに5人の報告があったとしますと15人の報告もれがあったことになります。3764人の無接種の主たる理由としては、全身状態の悪化、他の理由としては、順番待ち、接種拒否、接種後1か月以上経過などが考えられます。

個々の死亡症例の分析も大切ですが、政府は統計処理にもっと力を入れるべきだと、私は思います。

鈴村 泰
医学博士、第一種情報処理技術者、元皮膚科専門医、元漢方専門医
1985年名古屋大学医学部卒業。
アトピー性皮膚炎などの漢方薬治療と医療情報処理を得意とした。
現在はセミリタイア。画像アプリ「皮膚病データベース」を公開中。