コロナワクチン接種後の重篤者:意外なほど急降下のグラフに

鈴村 泰

Yana Tikhonova/iStock

前回は、死亡者のデータをグラフ化して分析しました。今回は、疑い報告症例データをグラフ化してみます。疑い報告症例では、発病日(発生日)の記載がありますので、より正確な分析ができる可能性があります。7日後に死亡した場合、1日後の発病と7日後の発病では、意味するところは大きく異なります。

データは、厚労省が公開している「ファイザー社製ワクチン接種後の報告症例一覧」を使用しています。前回と同様に、エクセル形式ファイルに変換して、VBAによりグラフを自動作成しています。ごく一部の症例に不規則な記述がみられ、その場合はデータが正しく取得できないため、人数には若干の誤差があることは、ご容赦ください。

疾患名が、「心筋梗塞、虚血性心疾患、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血、脳卒中、大動脈解離、心不全、心肺停止、心停止」、のいずれかであるものを、まとめて集計して、グラフ化しました。横軸が、「接種日から発病日までの日数」で、縦軸が「人数」です。 なお、日数が「不明」と記載されている症例は除外してあります。


全部で、505例でした。接種当日にピークがあり、その後急降下しています。重篤疾患の発病が偶発的でないことを示唆しています。ただし、報告バイアスの問題があるため、立証したとは言えません。なお、3日以内の発病は、76%でした。

65歳未満の症例の集計です。全部で、59例でした。全年齢のグラフとは、少し印象が異なります。偶発的発病の混在を示唆しています。

報告例一覧では「重篤度」という項目があります。重篤度で「重い」と記載されている症例のうち、疾患名がアナフィラキシーであるものを除いて集計してグラフ化しました。アナフィラキシーについては、政府は因果関係を認めており、偶発的ではありませんので除外しました。

全部で、1758例でした。接種当日にピークがあり、その後急降下しています。重篤疾患の発病が偶発的でないことを示唆しています。ただし、報告バイアスの問題があるため、立証したとは言えません。なお、3日以内の発病は、76%でした。

65歳未満の症例の集計です。全部で、724例でした。重篤疾患の発病が偶発的でないことを示唆しています。ただし、報告バイアスの問題があるため、立証したとは言えません。なお、3日以内の発病は、80%でした。

なお、重篤度の判断は報告医による判断であり、特定の疾患名ではなく、「冷感、悪寒」、「発疹、発熱」、「悪心・嘔吐、浮動性めまい」などの症状のみの記載の症例も、データには多く含まれています。すべてが死亡率の高い疾患であるわけではありません。