みなさま、おはようございます。ただいま9月29日は朝の5時。いよいよ、本日自民党総裁選挙投開票です。つまり、午後3時としてもあと10時間後には、日本の新しい総理総裁が決まるわけです。
今回の総裁選挙は正直言って苦しかったし、同時にワクワクもしました。それは、今回の4候補について、程度の多寡あれ、それぞれ私が心から共感し支持する部分があるのに、その中で、しかし、お一人を選ばなければならないという苦しさであり、また、同時に、今までの総裁選と異なり、結果の見えない、つまり自分含め議員達の行動により結果が大きく異なり得るというやりがいと高揚感のある選挙だからです。そして、どなたを支持するか選ぶ、という時に、単に政策的な観点だけではなく、権力をどう作るかという点、義理人情という人間関係といった様々な要素が複合的に作用するのが政治なのだということも体感できたことも大きかったです。
そして、この混沌とした歴史的変化の時代に、多様な考えの候補者が、多様な論戦について、全てメディアやネットにおいて透明な形で、国民の皆様の前で堂々と行うこととなったことも、日本の民主主義の発展という観点から、とても良かったと思っています。コロナがなければ「箱の中」で見えないところも多かったでしょうから、コロナのもたらしたプラスの側面とも言えなくもありません。コロナにメディアジャックされた2年でしたが、コロナ以外にも、日本の直面する課題は多々あるのだということを国民の皆様に示すことができました。危機管理、経済(含む経済安全保障)、外交、防衛、技術力、デジタル化、福祉、エネルギー政策、少子化対策、子育て、女性活躍などなど。
何より、4人の候補者のうち半分の2人が女性という総裁選は憲政史上初めてです。しかも、全然思想信条の異なる女性候補です。「女性は~」とか「男性は~」とかいうステレオタイプな括り方が間違っていることを端的に示すことができました。また、どなたが総理になっても世代交代は進むものと思います。
この多様な候補者の中から、自分の一票でリーダーを選ぶ(党員に限定はされますが)、それは、民主主義国ならではの楽しみでもあります。このワクワクは、例えば、北朝鮮や中国の国民は欲しても得られないものでしょう。
一つ前のブログで書いたとおり、数ある重要な課題の中ではありますが、取り急ぎ次の総理にすぐに取り組んで頂きたいと私が考えるのは安全保障であり、その観点から高市早苗候補を支持・応援することとした次第です(いわゆる”one issue vote”というやつですね)。敵基地攻撃能力と呼ぶのか打撃力というべきか用語はともかく、日本は、早く、「打撃力を保有し、必要な時に日本の意思で使うことができる」という体制にするべきです(もちろん、「防御」として必要な場合にということですが)。日本の「抑止力」の議論は世界の常識とかなりずれていると思います。まともな抑止力なしに、従来とはレベルを超えて厳しさを増す安全保障環境に対応することはできません。大体、ロシア、中国、北朝鮮、韓国と自国周辺国の中で、まともな打撃力を使うことを自ら禁じている国は日本だけですが、一体それで、日本を守ることができるのか、そろそろ正面切って考え対応すべきだと思います。もちろん、非対称戦や新領域(宇宙、サイバー、電磁波)についても、日本が自分で自分を縛っている様々な制約を取り払い正面から向き合う必要があると思います。日本は、「普通の国」と同じ能力を備えても、平和を愛する「特別な国」でいることはできます(そうしたければ)。それが信じられない人は、日本の民主主義を心底信じていないのだろうと思います。
個人的には、緊急性の観点から安全保障を重視しましたが、無論、日本の直面する課題は、もっと様々あります。コロナ禍が明確にあぶりだしてくれました。経済・技術の面で世界の中で劣後しつつある状況を反転させる必要があること、その観点から、高市候補の危機管理投資や河野候補のデジタル化推進や若者のチャレンジ応援は重要ですし、また、格差拡大の中で、成長は重視しつつも分配も重視するという岸田候補の政策も正鵠を得たものだと思います。野田候補が少子化対策や子供の保護など様々な観点から、3歳からの幼児教育義務化を訴えて頂きましたが、これは私も提唱しているところであり全く共感致します。
また、日本独自の外交を果敢に創造的に推進することも重要です。外交と防衛は車の両輪のようなもので、というか、外交を語りだせば、一言ではとても無理ですけれど、経済力や防衛力の裏付けがあるかどうかでそもそも外交力は違ってきます。ですので、良い外交をする上でも防衛力強化や経済力強化は重要です。何か一つだけ、ということはないのです。肝臓だけ、腎臓だけで健康が成立しないのと同じです。脳も大事だし、足の筋力も大事ですし、全般的に栄養摂取と運動も大事というのと同じことです。とりあえず、輸血が必要ぐらいの気持ちで私は防衛の課題を緊急にどうにかしなければと思っているだけです。
最後に、総理総裁になるというのは本当に大変なことなのだなと感じました。多くの人に「支えよう!!」と思わせる御本人の御人徳及びこれまでのご努力があった上で、様々な政治的力学、時代の要請、時の運が必要なのでしょう。天地人とはよく言ったものですね。それから、政治がやっと面白いなあ(怖いけど)と心から思えるようになったことは個人的には最大の収穫でした。
新総裁、すなわち新総理が、今回の総裁選を踏まえて素晴らしいドリームチームを作り、日本を新たな地平に向けて牽引して頂けることを心から期待しています。
皆様も、是非、政治に興味をもってください。日本という素晴らしい国が、これからも、激変する時代の中で凛と立って次の時代にも繁栄していくことができるかどうか。それは、畢竟、政治に関わるか否か全く関係なく、現代に生きる我々全ての日本人の行動にかかっているわけではありますけれど、なるほど、「政治」という人間の営みの凝縮された行為の中に、何かしら、「その運命を決定づける営み」がある、という事実も確かだと思います。国によっては、その「営み」に一般の国民は何らの関わりも影響力も持てない国もあります。でも、日本という国はそうではありません。老若男女、特に次世代を担う若い方に、そして、全体的傾向としていえば現実主義(プラグマティック)なの女性達に、もっともっと関心をもって関わって頂けたら、この国の政治は、もっともっとダイナミックに変化し、挑戦することを善しとする、アニマル・スピリッツに溢れたものとなると確信しています。
編集部より:このブログは参議院議員、松川るい氏(自由民主党、大阪選挙区)の公式ブログ 2021年9月29日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は、「松川るいが行く!」をご覧ください。