中国漁船団に燃料と食糧を供給していたのはだれか

中国の漁船団がエクアドルから1000キロ離れた太平洋のガラパゴス諸島の近海で毎年のように漁をしているのはよく知られていることだ。漁船団はおよそ300隻余りで構成されており、しかもそれが長期にわたって漁を行っている。

そこで疑問が湧くのは漁船の燃料や漁師の食料などはどのようにして確保しているのかという点である。その疑問を調査で解明したのがエクアドルの電子紙「コディゴ・ヴィドゥリオ」である。

10月10日付の同紙は、エクアドルのマンタ港やペルーの沿岸地域で燃料と食料を彼らに補給しているといことを明らかにした。

これらの地域では燃料のコントロールが十分に行されていないことを利用してエクアドルの密売業者が彼らにそれを密売している。また食料はエクアドルの一部マグロの漁師が彼らに提供しているということだ。中国の漁船団は長期に亘って漁が継続できるようになっているということなのである。

中国漁船団に燃料と食糧を供給していたのはエクアドルの密売業者とマグロ漁師だったのだ。

彼らは5隻の冷凍船を同行させ、それには4つの燃料タンクを搭載しているという。それぞれの燃料タンクには4万5000トンの燃料が搭載できることになっているそうだ。

彼らが主に捕獲しているのはオオアカイカやイカの一種ポタである。世界で漁獲されるイカの70%は中国漁船によるものだとされている。

ところが、油断がならないのは、かれらがガラパゴス諸島を囲む排他的経済水域の周辺の公海で漁をしていても、時に船の位置情報をわからないようにしてその水域内に侵入することがあるということだ。なにしろその水域には30種類のサメが生息しており、その一部は消滅の脅威にさらされている。それを彼らは捕獲して利益を稼ごうとしているのだ。

例えば、10月18日付「インフォバエ」が明らかにしているのは、2017年に冷凍船の福遠漁令Fu Yuan Yu Leng 999が同水域に侵入したとしてエクアドル当局に拿捕された際の取り調べでは500トンに及ぶ密魚漁獲の中に捕獲が禁止されているシュモクザメなど相当量のサメが検出されたそうだ。

中国の漁船団による被害はエクアドルの650隻のマグロ漁船やその企業に影響を与えている。何しろ、そこでは1万人が雇用されており、4億1700万ドルの漁獲収入に打撃を与えることになるからだ。