【研究者の書評】與那覇 潤(著)「歴史なき時代に 私たちが失ったもの 取り戻すもの」

野北 和宏

言論プラットフォーム アゴラの記事で、與那覇 潤さんの呉座勇一さんに関するオープンレター問題(?)に関する一連の記事を読み返しています。 例えば「オープンレター・ディストピアを排す:呉座勇一氏の日文研「解職」訴訟から考える・完

オープンレター・ディストピアを排す:呉座勇一氏の日文研「解職」訴訟から考える・完
掌編小説の名手として知られた星新一の、SF作家としての代表作に『声の網』という長編(連作短編)がある。現行の角川文庫版の解説で恩田陸氏が書いているとおり、初出が1970年とは思えない今日的な作品だ。 いま風の語彙でまとめれば、...

その中で、星新一(著)「声の網」という長編(連作短編)を例としてディストピアを紹介されていました。そして、與那覇 潤さんのスタンスは一貫して「誰もが自らのうちに秘密や失敗や問題を抱えつつ、常に「やり直す」機会のある社会」の実現にあることに共感しています。

今回紹介する本は、そんな與那覇 潤さんの新書で、 與那覇 潤(著)「歴史なき時代に 私たちが失ったもの 取り戻すものです。 実はずいぶん前(2021年7月)に読んでいたのですが、その時は、対談の中で多くの著作を参考文献(?)として挙げておられて、なかなか與那覇さんの主張されていることがパッとイメージできないでいたのですが、今回改めて読んでみて、すごくよく理解することができました。

もしかしたらアゴラの一連の記事を読んだからかもしれませんが。

動画のノギタ教授は、豪州クイーンズランド大学・機械鉱山工学部内の日本スペリア電子材料製造研究センター(NS CMEM)で教授・センター長を務めています。

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