高齢でも、多選でも、なぜ首長選挙では現職が圧倒的に有利なのか

こんにちは、音喜多駿(日本維新の会 参議院議員 / 東京都選出)です。

公務・政務の合間を縫って連日、日野市や町田市の選挙応援に入っています。

町田市長選挙は、マスコミや関係者の間では現職がギリギリ逃げ切るという下馬評になっているようです。

2期8年でやめると約束していたはずが、気づけば4期16年。そして5期20年・78歳までやると出馬を決意した現職市長。

Yaraslau Saulevich/iStock (写真はイメージです:編集部)

高齢・多選に対しての批判はあれども、それでも圧倒的に現職が強い・有利というのが首長選挙の特徴です。

なぜそこまで、市長や区長といった現職はここまで選挙に強いのでしょうか?

国政選挙でも、基本的には現職が有利です。議員として地域活動を継続してきたわけですし、一定の財力がある、秘書もいる。新人が勝つというのはどんな選挙でも大変なことです。

しかしながら、首長選挙の場合は国会議員や地方議員と比較にならないほど現職が有利だと思います。

まず首長を支える関係者と業界団体の数です。

首長というのは、人事権と予算編成権を一手に担っています(ここが国会議員との一番の違い)。

よって4年間の行政運営をしているうちに、自治体内の主要な関係者・業界団体と予算編成などを通じて人間関係が出来上がります。こうした方々が選挙のときは味方になるわけですから、これは極めて強力なパワーです。

それに加えて高い知名度

首長は自治体内で行われるあらゆる行政のイベントで挨拶・紹介されます。国会議員が省略されることはあっても、首長が省かれることはまずありません。

さらに区報や市政だよりなどの官報に名前や写真・挨拶文などが掲載され、それが何度も有権者の自宅にポスティングや新聞折込で届く。これで特に高齢者には圧倒的に浸透していくことになります。

さらにいえば、低投票率という要因もあります。

国政選挙ほど投票率が高くない首長選挙は、浮動票・若年票が動きにくい傾向にあります。となると、普段から関係者に浸透していて、特に高齢者に対して知名度が高い現職が極めて有利になると、こういう構図なわけですね。

首長選挙の厳しさは、私もよくわかっています。5選を目指す全国最高齢の区長に、2019年の北区長選挙で1万票差で敗北しました。

しかしやはり、年齢はさておき「多選」の弊害は本当に大きいと思います。

これは私自身の反省も込めて振り返れば、当時の所属政党の機関決定に従い、千代田区長選挙で5選を目指す現職を応援したことがあります。

しかし「絶対的な権力は、絶対に腐敗する」を地で行くように、応援した区長はマンション不正購入疑惑が発覚し、すったもんだの挙げ句、事実上失脚するにいたりました。

一人の人間が強大な人事権・予算編成権を長年に渡って掌握し続ければ、どうしてもどこかに権力の歪みが生まれますし、少なくとも行政は停滞し、無駄が増えて効率が悪くなることは間違いありません。

私の地元・北区でも5選目の現職区長に目新しい実績は乏しいのが実情だと思います。やはり首長は2期8年か、せいぜい3期12年。世代交代や新陳代謝が民主政治には必要です。

泣いても笑っても選挙活動できるのはあと金土の二日間。

日野市議選 伊東ひであき
町田市議選 おぜき重太郎・矢口まゆ
町田市長選 おくざわ高広

日本維新の会公認候補へのご支援を宜しくお願いいたします!

動画でもコメントしました。

それでは、また明日。


編集部より:この記事は、参議院議員、音喜多駿氏(東京選挙区、日本維新の会)のブログ2022年2月17日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。