ウクライナのゼレンスキー大統領の米国議会に対するスピーチを見た。当初、真珠湾攻撃を例にロシアの理不尽さを訴えた部分はで少し不快な気持ちがしたが、流されたビデオ、そのスピーチの内容に心を打たれた。
ウクライナで100人を超える子供が命を落とし、責任を感じていると切々と訴えていた。アメリカやヨーロッパが飛行禁止区域を設定しないままに、多くの命が失われていることに、疑問を呈していた。NHKではウクライナ語でスピーチをしたと解説していたが、最後は英語だった。
米国は第3次世界大戦を恐れている。ロシアというヤクザに「逆らったら、おまえもぶっ殺すぞ」と脅されて、みかじめ料をウクライナに払わせているようなものだと思う。ウクライナ人だけが血を流す様子を黙って見ていることが世界の正義なのか?
それにしても、SNSなどを駆使して闘う姿を見て、ゼレンスキー大統領は戦時のリーダーの演じ切っていると思う。
ウクライナの東部や南部は食料もギリギリだと伝えられている。このまま見殺しにしていいのかと強く感ずる。西側諸国がすくんでいると、ヤクザは、ますます増長するのではないのか。
ロシア大統領はこの戦争に敗れると自分の身が危ないのだから、文字通り、死に物狂いだ。それに対して本気では闘わないと宣言していれば、ヤクザはやりたい放題だ。
目の前で、弱者がボコボコに殴られていても、その人にナイフを渡すから頑張って、一人で頑張ってと言っているようなものだ。悲しい。
世界の正義はどこに行ってしまったのだろうか?
編集部より:この記事は、医学者、中村祐輔氏のブログ「中村祐輔のこれでいいのか日本の医療」2022年3月16日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。